2017年2月号エスト賃貸経営新聞の賃貸経営新聞 | 埼玉の不動産投資・収益物件・建物管理|株式会社エストハウジング
2017年2月号エスト賃貸経営新聞
波乱含みの年明け後の経済要因と賃貸住宅経営の市場環境
今後も続く量的金融緩和が賃貸住宅増設を後押し
年が明けて日も置かないうちに政治・経済の波乱要因が伝えられています。
新時代を迎える対米関係の影響がどのような広がりを見せるか注目されるところです。
そこで、賃貸住宅経営を取り巻く市場環境の主だった動きをまとめてみました。
年明け早々シンクタンクのニッセイ基礎研究所から「貸家着工にバブルの懸念~住宅投資関数で説明できない好調さ」と題するレポートが公表されました。
賃貸住宅の新築がここ1年、全国的に際だった傾向を見せているのですが、バブルといった表現はあまり目にすることがなかったので、やや驚いてレポートに目を通しました。
レポート自体は平成27年1月に始まった「相続税改正に伴う節税需要の喚起」で、貸家の増加が進み、「先行きは供給過剰の懸念が浮上」することから、調整を余儀なくされる、とまとめられています。
市場の動向については、相続税の課税の影響を中心に取り上げられているのですが、賃貸住宅の新築の増加を指してバブルと捉えているところに、改めて新築の勢いを感じるものです。
また、1月に入って公表された帝国データバンクの平成28年12月の景気動向調査結果においても、「貸家を中心に住宅着工戸数の増加なども好材料」と、12月の景気DIが4ヵ月連続で改善した理由の一つとして見ています。
事実、平成28年11月の貸家の新築は約3万9千戸、前年同月比で13ヵ月連続の増加。
昨年1~11月の着工戸数では前年比11.3%増の約38万4千戸と2ケタの伸びとなっています。
貸家の新築が続く背景はよく知られている通り、相続税増税の対策、超低金利、賃貸経営に対する根強い投資意欲が挙げられますが、今後さらに平成31年10月に予定されている消費税率引上げ前の駆け込み需要が加わることが予測されます。
冷え込むことなく加熱する賃貸住宅の投資環境
さらに都市・地域の賃貸需要に応える新築のニーズのほかにも、手堅い投資インカムの収益を狙うJ-REIT市場などの投資運用が背景に見られます。
2020年東京オリンピック開催、急増するインバウンド需要、東京オリンピック以降の景気対策としての万博開催の誘致と、不動産投資はしばらく冷え込むことなく加熱することが予測されますので、賃貸住宅の投資環境はさらに強まると見られます。
日本銀行は1月16日、黒田総裁の支店長会議への挨拶として、『わが国の景気は、緩やかな回復基調を続けている。先行きについては、緩やかな拡大に転じていくと考えられる。2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する』、と発表しました。
量的金融緩和が今後も続くのですから、賃貸住宅の増設も継続されるのは間違いないところです。
「1棟丸ごとリノベーション賃貸住宅」
建物の躯体を生かしつつ、リメーク
キーポイントはアイデアとポリシー
古くなった賃貸住宅を再生する方法としては、限られた予算でリフォームするのが一般的ですが、修繕・修復のリフォームではなく、建物内容をガラッと変えてしまうリノベーションがここへ来て多彩な広がりを見せています。
古いマンションの部屋を躯体以外、設備や造作物総て取っ払い、スケルトン状態にして全く新しい視点で高付加価値の部屋を新築します。
建物の柱、壁、床等の躯体を生かしつつ、最新の設備、工法、材料等を取り入れてリメークし、機能向上と共に価値を高めて入居者ニーズに応え、新しい賃貸住宅に改造するものです。
中でも最近、1棟丸ごとリノベーションする賃貸住宅が、空室対策として注目されています。
リノベーション住宅推進協議会が実施したリノベーションコンテスト、「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2016」の賃貸DIY推進賞を受賞した「DIY先生がいる工房付、賃貸一棟マンション!」は、滋賀県の大津市にある総戸数58戸の約半数が空室の賃貸1棟マンション。
空室対策としてDIYの先生がいる工房を常設し、借りて自らがリノベする「DIY賃貸」をスタートしました。
性能を高めて新たな価値観見出す
借り手のDIYへのハードルを減らすため、不安をその場で解消できるDIYスタッフ常駐の工房を常設するもので、マンションの空き家が問題となる中、従来の対策では解決できなかった空き家の解消に向けて、DIY賃貸という新しい手法を提案したものです。
築後数十年を経て、今日の入居者ニーズに十分応えることができなくなった建物を新築として建て替えずに、性能を高め、新たな価値観を見出して用途の大幅な変更を図るリノベーションは、物件をよみがえらせるプランといえそうです。
ニュースフラッシュ
「生活意識に関するアンケート調査」日銀
景況感について「良くなった」との回答が減少
日本銀行は1月13日、生活者の意識や行動を大まかに聴取する一種の世論調査「生活意識に関するアンケート調査」の結果を発表しました。
それによりますと、1年前の対比で現在の景況感については、「良くなった」との回答が減少し、「悪くなった」との回答が増加したことから、景況感DIは悪化。
1年後の先行きについても、「良くなる」との回答が減少し、「悪くなる」との回答が増加したことから、景況感DIは悪化。
現在の景気水準については、「良い」「どちらかと言えば、悪い」回答の合計が増加。
景況判断の根拠については、「自分や家族の収入の状況から」との回答が最も多く、次いで「勤め先や自分の店の経営状況から」「商店街、繁華街などの混み具合をみて」といった回答が多かった。
現在の暮らし向きについては、1年前との対比で、「ゆとりが出てきた」「ゆとりがなくなってきた」とも横ばいで推移したことから、暮らし向きDIは横ばいとなっています。
賃貸経営における思い切った「出口戦略」
全体を見据えて最上の手段を講じる
賃貸経営上、「出口戦略」も一つの選択肢として捉えることは重要なポイントです。
収益向上の方法として、資産の組み換えでリスク分散を図る一方、財務強化を実現します。
賃貸経営を始めるきっかけは様々です。
親から経営そのものを譲り受ける、土地を相続した折に相続税対策として賃貸住宅を建てる、市場から収益物件を購入して経営を始める、といったように予算規模、場所、時期それぞれだと思われます。
順風満帆に推移している場合もあれば、苦戦の連続といった事例もあるのではないでしょうか。
なれぬ経営に乗り出して自己破産するケースも見受けられます。
インターンネットには、そうした失敗例が取り上げられています。
そこで「出口戦略」という選択肢も考慮していいのではないでしょうか。
現行の賃貸経営が本格的に軌道に乗らない場合などに、思い切った方策も必要であることから、市場の実態、足下の実情など全体像を見据えて最上の手段を講じることも重要だと思います。
出口戦略といえば最初に挙げられるのが、「売却」して現金を得る。
今の建物を壊して、更地にして駐車場にしたり、土地を貸す、という方法もあります。
あるいはリノベーションやコンバージョンでガラっとスタイルを変えて取り組むなど、多様なプランが考えられます。
高度な実務だけに事業パートナーは慎重に
さらに、リフォームにお金をかけるのなら思い切って新築に「建て替える」とか、同じ建て替えるのならもう少し敷地の広い立地のいいところを選んで、最新の入居者ニーズに即した賃貸住宅を建てる、敷地を広くするために隣地を買い取る、敷地をそっくり交換する方法などで、採算の向上を図ります。
また、すでにローンの支払いが終わり、毎年かかってくる経費が小さい額なら、こうした経費をベースにした家賃入金があればよしとするのと、規模の拡大や財務強化を図るのとでは経営スタイルが違ってきます。
このように色々なパターンが考えられますが、実務において税務、有益な情報、ネットワークなど、高度で専門のノウハウが必要とされているだけに、物件の転売、新規購入のご検討の場合は、最新のノウハウの応用が不可欠ですので、コーディネーターや事業パートナーは慎重にお選び下さい。
賃貸経営ワンポイントアドバイス
防犯に配慮した賃貸住宅が多様な広がり
社会事情を敏感に感じ取る入居者ニーズ
安全・安心を強く求める
賃貸住宅入居者の関心毎に賃料や設備内容のほか、常に上位を占めているのが「防犯対策」です。
わが国の刑法犯は警察庁によりますと、平成15年から減少に転じ、27年には戦後最小となっていますが、私達の身近ではまだまだ住宅を対象とする侵入窃盗は多く、1日当たり約126件が発生しています。
侵入窃盗の発生場所のうち住宅が全体の59%を占め、うち3階建て以下の共同住宅が12.9%、4階以上が4.6%です。
窃盗の侵入手段について見ると、賃貸住宅に多い3階以下の共同住宅では一番多いのが「無締まり」、次に「ガラス破り」、3番目が「合鍵」で、この三つで全体の85%を占めています。
入居者はこうした社会事情を敏感に感じ取って、安全・安心な賃貸住宅を強く求めているのです。
とくに女性にとってセキュリティは、部屋選びの必須条件となっており、家賃、最寄り駅の利便性に次いで、設備や環境を抜いて防犯の充実した物件が賃貸住宅選びのトップ3に挙げられています。
セキュリティ、防犯対策に力を入れた賃貸住宅ニーズがますます高まっているものです。
こうした市場のニーズを汲み取って、女性入居者の防犯に配慮した賃貸住宅が多様な広がりを見せています。
オートロック機能のある共用玄関の外部に、メールボックスと宅配ボックスが一体化した据え置き型ユニットを設置したり、かけつけサービスなどのホームセキュリティシステムを標準採用する例が増えています。
賃貸住宅を新築する場合は、国土交通省が策定した犯罪防止のための細分にわたった取決め「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」や、建物の各部位ごとの防犯措置を示した警察庁策定の「共同住宅に係る防犯上の留意事項」が参考になります。
共用部分、専用部分の防犯上の留意すべき事項を具体的に説明しています。
ちょっと一服
年々強くなっている「条件交渉」
臨機応変、要望を聞きながら対応
年明けの賃貸住宅市場は活況を呈しています。
新生活に向けて人の移動が活発な中、部屋をお探しのお客様の来店が続きます。
各種の経済指標で、景気は緩やかに回復が続いている、と公表されている通り、賃貸仲介現場におきましても、問い合わせメールを数多くいただいております。
最近の傾向としては、学生、一般単身、ファミリーは例年と変わらず、増えているのはやはり時勢を映して65歳以上の高齢者、外国人です。
そして、物件をご案内する中でやはり出てくるのが「条件交渉」。
賃料をはじめ、礼金、敷金のほか、設備に対する要望が年々強くなっているのが実感されます。
もし、あれもこれも聞きかねます、ということになれば、契約が遠のくのは目に見えているので、臨機応変といいますが、お客様の要望を聞きながら対応させていただいています。
これから4月半ばにかけて、空室、条件等の確認に急な連絡をさせていただきますので、携帯電話をお手元にお持ちください。
ご協力をよろしくお願いします。
不動産価格指数・住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する調査
マンション価格が商業用不動産総合指数の上昇を牽引しています
国土交通省はこのほど、不動産市場価格の動向を表す不動産価格指数の平成28年9月・第3四半期(7~9月)分を公表しました。
それによりますと、平成28年9月分の全国の住宅総合指数(平成22年平均=100)は107.9、対前年同月比1.0%の上昇となっています。
住宅地は同2.7%の下落で、戸建住宅は同0.7%の下落となった一方、マンションは同6.3%の上昇、引き続きマンション価格が住宅総合指数の上昇を牽引しています。
平成28年7~9月分の全国の商業用不動産総合指数(平成22年平均=100)は115.8、対前年同月比1.5%の上昇となり、24年10~12月分から16期連続でのプラス・
建物付土地総合、土地総合指数のいずれも前年同月比ベースでプラスの水準。
建物付土地総合指数の内訳を見ると、マンション・アパート(一棟)は同4.2%上昇し、引き続きマンション価格が商業用不動産総合指数の上昇を牽引しています。
断熱化が入居者の健康促す
血圧は室温にも左右される
また、国土交通省は1月13日、住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する調査の中間報告を公表しました。
断熱改修の前後における居住者の決合う屋生活習慣、身体活動量など健康への影響を検証するものです。
「血圧と室温の関連」については以下の通り。
冬季において起床時室温が低いほど、血圧が高くなる傾向がみられる。
高齢者ほど室温低下による血圧の上昇が大きくなるため、室温が低くならないように注意することが大切。
さらに断熱改修によって室温が上昇し、それに伴い居住者の血圧も低下する傾向が確認された。
居間または脱衣所の室温が18℃未満の住宅では、入浴事故リスクが高いとされる集めの入浴の確率が有意に高い、としています。
過去の記事はこちらから
エスト賃貸経営新聞
今後も続く量的金融緩和が賃貸住宅増設を後押し
年が明けて日も置かないうちに政治・経済の波乱要因が伝えられています。
新時代を迎える対米関係の影響がどのような広がりを見せるか注目されるところです。
そこで、賃貸住宅経営を取り巻く市場環境の主だった動きをまとめてみました。
年明け早々シンクタンクのニッセイ基礎研究所から「貸家着工にバブルの懸念~住宅投資関数で説明できない好調さ」と題するレポートが公表されました。
賃貸住宅の新築がここ1年、全国的に際だった傾向を見せているのですが、バブルといった表現はあまり目にすることがなかったので、やや驚いてレポートに目を通しました。
レポート自体は平成27年1月に始まった「相続税改正に伴う節税需要の喚起」で、貸家の増加が進み、「先行きは供給過剰の懸念が浮上」することから、調整を余儀なくされる、とまとめられています。
市場の動向については、相続税の課税の影響を中心に取り上げられているのですが、賃貸住宅の新築の増加を指してバブルと捉えているところに、改めて新築の勢いを感じるものです。
また、1月に入って公表された帝国データバンクの平成28年12月の景気動向調査結果においても、「貸家を中心に住宅着工戸数の増加なども好材料」と、12月の景気DIが4ヵ月連続で改善した理由の一つとして見ています。
事実、平成28年11月の貸家の新築は約3万9千戸、前年同月比で13ヵ月連続の増加。
昨年1~11月の着工戸数では前年比11.3%増の約38万4千戸と2ケタの伸びとなっています。
貸家の新築が続く背景はよく知られている通り、相続税増税の対策、超低金利、賃貸経営に対する根強い投資意欲が挙げられますが、今後さらに平成31年10月に予定されている消費税率引上げ前の駆け込み需要が加わることが予測されます。
冷え込むことなく加熱する賃貸住宅の投資環境
さらに都市・地域の賃貸需要に応える新築のニーズのほかにも、手堅い投資インカムの収益を狙うJ-REIT市場などの投資運用が背景に見られます。
2020年東京オリンピック開催、急増するインバウンド需要、東京オリンピック以降の景気対策としての万博開催の誘致と、不動産投資はしばらく冷え込むことなく加熱することが予測されますので、賃貸住宅の投資環境はさらに強まると見られます。
日本銀行は1月16日、黒田総裁の支店長会議への挨拶として、『わが国の景気は、緩やかな回復基調を続けている。先行きについては、緩やかな拡大に転じていくと考えられる。2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する』、と発表しました。
量的金融緩和が今後も続くのですから、賃貸住宅の増設も継続されるのは間違いないところです。
「1棟丸ごとリノベーション賃貸住宅」
建物の躯体を生かしつつ、リメーク
キーポイントはアイデアとポリシー
古くなった賃貸住宅を再生する方法としては、限られた予算でリフォームするのが一般的ですが、修繕・修復のリフォームではなく、建物内容をガラッと変えてしまうリノベーションがここへ来て多彩な広がりを見せています。
古いマンションの部屋を躯体以外、設備や造作物総て取っ払い、スケルトン状態にして全く新しい視点で高付加価値の部屋を新築します。
建物の柱、壁、床等の躯体を生かしつつ、最新の設備、工法、材料等を取り入れてリメークし、機能向上と共に価値を高めて入居者ニーズに応え、新しい賃貸住宅に改造するものです。
中でも最近、1棟丸ごとリノベーションする賃貸住宅が、空室対策として注目されています。
リノベーション住宅推進協議会が実施したリノベーションコンテスト、「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2016」の賃貸DIY推進賞を受賞した「DIY先生がいる工房付、賃貸一棟マンション!」は、滋賀県の大津市にある総戸数58戸の約半数が空室の賃貸1棟マンション。
空室対策としてDIYの先生がいる工房を常設し、借りて自らがリノベする「DIY賃貸」をスタートしました。
性能を高めて新たな価値観見出す
借り手のDIYへのハードルを減らすため、不安をその場で解消できるDIYスタッフ常駐の工房を常設するもので、マンションの空き家が問題となる中、従来の対策では解決できなかった空き家の解消に向けて、DIY賃貸という新しい手法を提案したものです。
築後数十年を経て、今日の入居者ニーズに十分応えることができなくなった建物を新築として建て替えずに、性能を高め、新たな価値観を見出して用途の大幅な変更を図るリノベーションは、物件をよみがえらせるプランといえそうです。
ニュースフラッシュ
「生活意識に関するアンケート調査」日銀
景況感について「良くなった」との回答が減少
日本銀行は1月13日、生活者の意識や行動を大まかに聴取する一種の世論調査「生活意識に関するアンケート調査」の結果を発表しました。
それによりますと、1年前の対比で現在の景況感については、「良くなった」との回答が減少し、「悪くなった」との回答が増加したことから、景況感DIは悪化。
1年後の先行きについても、「良くなる」との回答が減少し、「悪くなる」との回答が増加したことから、景況感DIは悪化。
現在の景気水準については、「良い」「どちらかと言えば、悪い」回答の合計が増加。
景況判断の根拠については、「自分や家族の収入の状況から」との回答が最も多く、次いで「勤め先や自分の店の経営状況から」「商店街、繁華街などの混み具合をみて」といった回答が多かった。
現在の暮らし向きについては、1年前との対比で、「ゆとりが出てきた」「ゆとりがなくなってきた」とも横ばいで推移したことから、暮らし向きDIは横ばいとなっています。
賃貸経営における思い切った「出口戦略」
全体を見据えて最上の手段を講じる
賃貸経営上、「出口戦略」も一つの選択肢として捉えることは重要なポイントです。
収益向上の方法として、資産の組み換えでリスク分散を図る一方、財務強化を実現します。
賃貸経営を始めるきっかけは様々です。
親から経営そのものを譲り受ける、土地を相続した折に相続税対策として賃貸住宅を建てる、市場から収益物件を購入して経営を始める、といったように予算規模、場所、時期それぞれだと思われます。
順風満帆に推移している場合もあれば、苦戦の連続といった事例もあるのではないでしょうか。
なれぬ経営に乗り出して自己破産するケースも見受けられます。
インターンネットには、そうした失敗例が取り上げられています。
そこで「出口戦略」という選択肢も考慮していいのではないでしょうか。
現行の賃貸経営が本格的に軌道に乗らない場合などに、思い切った方策も必要であることから、市場の実態、足下の実情など全体像を見据えて最上の手段を講じることも重要だと思います。
出口戦略といえば最初に挙げられるのが、「売却」して現金を得る。
今の建物を壊して、更地にして駐車場にしたり、土地を貸す、という方法もあります。
あるいはリノベーションやコンバージョンでガラっとスタイルを変えて取り組むなど、多様なプランが考えられます。
高度な実務だけに事業パートナーは慎重に
さらに、リフォームにお金をかけるのなら思い切って新築に「建て替える」とか、同じ建て替えるのならもう少し敷地の広い立地のいいところを選んで、最新の入居者ニーズに即した賃貸住宅を建てる、敷地を広くするために隣地を買い取る、敷地をそっくり交換する方法などで、採算の向上を図ります。
また、すでにローンの支払いが終わり、毎年かかってくる経費が小さい額なら、こうした経費をベースにした家賃入金があればよしとするのと、規模の拡大や財務強化を図るのとでは経営スタイルが違ってきます。
このように色々なパターンが考えられますが、実務において税務、有益な情報、ネットワークなど、高度で専門のノウハウが必要とされているだけに、物件の転売、新規購入のご検討の場合は、最新のノウハウの応用が不可欠ですので、コーディネーターや事業パートナーは慎重にお選び下さい。
賃貸経営ワンポイントアドバイス
防犯に配慮した賃貸住宅が多様な広がり
社会事情を敏感に感じ取る入居者ニーズ
安全・安心を強く求める
賃貸住宅入居者の関心毎に賃料や設備内容のほか、常に上位を占めているのが「防犯対策」です。
わが国の刑法犯は警察庁によりますと、平成15年から減少に転じ、27年には戦後最小となっていますが、私達の身近ではまだまだ住宅を対象とする侵入窃盗は多く、1日当たり約126件が発生しています。
侵入窃盗の発生場所のうち住宅が全体の59%を占め、うち3階建て以下の共同住宅が12.9%、4階以上が4.6%です。
窃盗の侵入手段について見ると、賃貸住宅に多い3階以下の共同住宅では一番多いのが「無締まり」、次に「ガラス破り」、3番目が「合鍵」で、この三つで全体の85%を占めています。
入居者はこうした社会事情を敏感に感じ取って、安全・安心な賃貸住宅を強く求めているのです。
とくに女性にとってセキュリティは、部屋選びの必須条件となっており、家賃、最寄り駅の利便性に次いで、設備や環境を抜いて防犯の充実した物件が賃貸住宅選びのトップ3に挙げられています。
セキュリティ、防犯対策に力を入れた賃貸住宅ニーズがますます高まっているものです。
こうした市場のニーズを汲み取って、女性入居者の防犯に配慮した賃貸住宅が多様な広がりを見せています。
オートロック機能のある共用玄関の外部に、メールボックスと宅配ボックスが一体化した据え置き型ユニットを設置したり、かけつけサービスなどのホームセキュリティシステムを標準採用する例が増えています。
賃貸住宅を新築する場合は、国土交通省が策定した犯罪防止のための細分にわたった取決め「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」や、建物の各部位ごとの防犯措置を示した警察庁策定の「共同住宅に係る防犯上の留意事項」が参考になります。
共用部分、専用部分の防犯上の留意すべき事項を具体的に説明しています。
ちょっと一服
年々強くなっている「条件交渉」
臨機応変、要望を聞きながら対応
年明けの賃貸住宅市場は活況を呈しています。
新生活に向けて人の移動が活発な中、部屋をお探しのお客様の来店が続きます。
各種の経済指標で、景気は緩やかに回復が続いている、と公表されている通り、賃貸仲介現場におきましても、問い合わせメールを数多くいただいております。
最近の傾向としては、学生、一般単身、ファミリーは例年と変わらず、増えているのはやはり時勢を映して65歳以上の高齢者、外国人です。
そして、物件をご案内する中でやはり出てくるのが「条件交渉」。
賃料をはじめ、礼金、敷金のほか、設備に対する要望が年々強くなっているのが実感されます。
もし、あれもこれも聞きかねます、ということになれば、契約が遠のくのは目に見えているので、臨機応変といいますが、お客様の要望を聞きながら対応させていただいています。
これから4月半ばにかけて、空室、条件等の確認に急な連絡をさせていただきますので、携帯電話をお手元にお持ちください。
ご協力をよろしくお願いします。
不動産価格指数・住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する調査
マンション価格が商業用不動産総合指数の上昇を牽引しています
国土交通省はこのほど、不動産市場価格の動向を表す不動産価格指数の平成28年9月・第3四半期(7~9月)分を公表しました。
それによりますと、平成28年9月分の全国の住宅総合指数(平成22年平均=100)は107.9、対前年同月比1.0%の上昇となっています。
住宅地は同2.7%の下落で、戸建住宅は同0.7%の下落となった一方、マンションは同6.3%の上昇、引き続きマンション価格が住宅総合指数の上昇を牽引しています。
平成28年7~9月分の全国の商業用不動産総合指数(平成22年平均=100)は115.8、対前年同月比1.5%の上昇となり、24年10~12月分から16期連続でのプラス・
建物付土地総合、土地総合指数のいずれも前年同月比ベースでプラスの水準。
建物付土地総合指数の内訳を見ると、マンション・アパート(一棟)は同4.2%上昇し、引き続きマンション価格が商業用不動産総合指数の上昇を牽引しています。
断熱化が入居者の健康促す
血圧は室温にも左右される
また、国土交通省は1月13日、住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する調査の中間報告を公表しました。
断熱改修の前後における居住者の決合う屋生活習慣、身体活動量など健康への影響を検証するものです。
「血圧と室温の関連」については以下の通り。
冬季において起床時室温が低いほど、血圧が高くなる傾向がみられる。
高齢者ほど室温低下による血圧の上昇が大きくなるため、室温が低くならないように注意することが大切。
さらに断熱改修によって室温が上昇し、それに伴い居住者の血圧も低下する傾向が確認された。
居間または脱衣所の室温が18℃未満の住宅では、入浴事故リスクが高いとされる集めの入浴の確率が有意に高い、としています。
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