2022年2月号エスト賃貸経営新聞の賃貸経営新聞 | 埼玉の不動産投資・収益物件・建物管理|株式会社エストハウジング

2022年2月号エスト賃貸経営新聞

広がる「メール・問い合わせ」「リモート・接客」「オンライン・内見」
コロナ禍の下、世帯数の伸びが賃貸市場を底堅く支える


昨年末には減少傾向を見せていた新型コロナウイルスの感染者数も変異株「オミクロン株」の急激な広がりによって、新局面を迎えています。
年明けから始まった、春のシーズン下の賃貸市場を取り巻く最新事情をまとめてみました。


ここ1年、コロナ禍の影響で見られる傾向は、「騒音等のクレームの増加」や「クレーム・収入減による退去」「賃料減額の要求」などのほか、「住宅確保給付金申請依頼の増加」などのトラブル関連が挙げられます。

コロナ禍の影響で外出を控えて自宅で過ごす時間が増えたことから、入居者間のちょっとした生活音・騒音等に過敏に反応していることや、収入が不安定になった方からの賃料減額の申し入れが生じているものです。
ただ、これも地域差、年代差によって違いがあるため、どこでも起きているとは限りません。
あくまでも一般的な傾向です。

賃貸住宅のニーズ事態は、最新の「令和2年国勢調査」の結果からも明らかな通り、人口が減少している中、世帯数がこの5年間に238万世帯の大幅な増加となっています。
今日の賃貸市場を底堅く支えているのがこうした世帯数の伸びですから、コロナ禍の影響を受けて直ちに市場が圧迫されて変化しているとはいえません。

例えば賃料の傾向は、全体傾向としてやや軟調、横ばい気味にありますが、不動産情報サービスのアットホーム(株)が発表した2021年11月「賃貸マンション・アパート募集家賃動向」によると、「マンションの平均募集家賃は、前年同月比上昇率トップ3に東京都下・神奈川県が全面積帯でランクインするなど首都圏エリアの上昇が目立ち、アパートは、東京都下・神奈川県・埼玉県・千葉県・福岡県が全面積帯で前年同月を上回る。とくに神奈川県では、全面積帯で過去最高値を更新した」としています。

賃料につきましては地域差と物件差が強く影響しますので、こうした傾向は大きなくくりとしての参考にして見てください。

3蜜回避、マスク着用、手指衛生等を徹底してご案内

新春のシーズンの真っただ中、コロナ禍の影響は避けられません。
来店者、問い合わせ等もいつものシーズン通りとはいかず、やはり出足が鈍っています。
ただ、進学、転勤、新生活を始める方の賃貸需要は旺盛で、デジタル機器を活用するとともに、3蜜回避、マスクの着用、手指衛生等の感染対策を徹底して、お客様をご案内しています。

そしてお客様も、「メール・問い合わせ」「リモート・接客」「オンライン・内見」といった流れが広まりつつあって、ここ一番の直接来店、現地案内も大きくは変わらないようです。

オミクロン株の広がりに対して、ワクチンの3回目接種(ブースター接種)や経口薬の投入、濃厚接触者の隔離期間の短縮などの対策が打ち出されていますので、もう少し先の春を待ちたいところです。





ニュースフラッシュ
コロナ禍を機に、オンラインでの住まい探しが着実に進んでいます


コロナ禍での住まいの探し方の変化等について調査した不動産情報サービス、アットホーム(株)の「ニューノーマル時代の住まい探し2021~賃貸編~」によると、サイト・アプリで住まいを探している人が、2020年と比べ大幅に増加しているのが分かりました。

「不動産ポータルサイトで検索」がトップで、「「検索サイトで済みたい街や不動産に関するキーワードで検索」や「不動産ポータルアプリで検索」がそれぞれ10ポイント以上増加するなど、オンラインでの住まい探しが着実に進んでいるようです。

また、「自宅でスマートフォンなどからオンラインで内見」を希望する検討者は約3割を占め、入居申し込みをWebフォームで行った経験者は約3割で、検討者のうち、Webフォームを希望する人は約4割となっています。
コロナ禍に引越しをした人の約2割が「オンライン」で重要事項説明・契約を行ったと回答し、5人に1人が非対面・非接触での重説・契約を経験しています。





成年年齢が現行の20歳から18歳に引き下げ
18歳であれば賃貸借契約の親の同意は不要


成年年齢が今年の4月1日に、現行の20歳から18歳に引き下げられます。
「民法の一部を改正する法律」が施行されるもので、賃貸借契約にも影響してきます。

明治時代から今日まで約140年間、日本での成年年齢は20歳と民法で定められていましたが、民法が改正され、この4月1日から成年年齢が20歳から18歳に変わります。
4月1日に18歳、19歳の人は4月1日に新成人となります。

成年年齢の改正に対して政府は、「成年年齢を18歳に引き下げることは18歳、19歳の若者の自己決定権を尊重するものであり、その積極的な社会参加を促すことになると考えられる」と、説明しています。
世界的にも18歳の成年年齢が主流となっています。

成年に達すると、親の同意を得なくても、自分の意思で様々な契約ができるようになり、携帯電話の契約やローンを組んだり、賃貸借契約も結べます。

未成年者は親の同意を得ずに契約した場合、契約を取り消すことができます(未成年者取消権)が、成年年齢が引き下げられたことで、親の同意なく一人で契約をすることができるようになる一方で、未成年者取消権を行使することができなくなるため、詐欺などの犯罪に巻き込まれることが懸念されています。

そこで、4月1日移行の賃貸住宅の契約ですが、しばらく何らかの成人年齢の影響は見られそうです。
市場が混乱するというレベルではないとしても、契約の名義人や親の同意の扱いについて注意は必要です。

ただ、賃貸借契約には、連帯保証人もしくは家賃保証会社の利用が求められ、場合によっては収入証明書も必要になりますので、18歳の成年だからといってフリーパスで賃貸借契約が結ばれるものではありません。
4月1日以降は親権者同意書が不要となりますが、社会人であっても学生であっても、契約には連帯保証人が必須です。

高校の卒業時に部屋を探す際、誕生日を迎えて成人になった18歳と誕生日前の17歳が混在するので、成人か否かの取り違えは注意が必要となります。

なお、民法の成年年齢が18歳に引き下げられても、酒やたばこに関する年齢制限については、20歳のまま維持され、競馬や競輪の公営競技の年齢制限についても、20歳のまま維持されます。




~成人年齢の引き下げで変わるもの・変わらないもの~

18歳(成年)になったらできること
■親の同意がなくでも契約できる
 ・携帯電話の契約
 ・ローンを組む
 ・クレジットカードをつくる
 ・一人暮らしの部屋を借りるなど
■10年有効のパスポートを取得する
■公認会計士や司法書士、医師免許、薬剤師免許などの国家資格を取る
■結婚
 ・女性の結婚可能年齢が16歳から18歳に引き上げられ、男女ともに18歳に
■性同一障害の人が性別の取り扱いの変更審判を受けられる

※普通自動車免許の取得は従来と同様、「18歳以上」で取得可能

20歳にならないとできないこと(これまでと変わらないこと)
■飲酒をする
■喫煙をする
■競馬、競輪、オートレース、競艇の投票券(馬券など)を買う
■養子を迎える
■大型・中型自動車運転免許の取得




賃貸経営ワンポイントアドバイス
民法改正で約40年ぶりに相続関連の変更
万一に備えて事前に対策をとっておく



増え続ける認知症の患者

75歳を過ぎて交通違反を起こしますと、違反内容にもよりますが、罰金を払って終わりとはいきません。
臨時に認知機能検査を受けねばなりません。
結局75歳ぐらいから記憶力、判断力が低下することから車の運転に支障を生じかねないかをチェックするわけです。

認知症の患者は増え続け、65歳以上の5人に1人が認知症になると厚労省から発表されています。
同省によりますと、65歳以上の認知症の人数は令和2年現在、約600万人と推計され、令和7年には約700万人が認知症になると予測しています。
高齢者の約5人に1人が認知症になるとみられるものです。

ひるがえって賃貸経営を考えますと、家賃収入からローンを返済したり、各種の保険金、税金等の支払いを計算するなど経営は数十年に及びます。
年月の経過とともに起こる体の衰え、あるいは認知症の対策を元気なうちに講じておくことは、もはや特別なことではなくなってきました。
いつかは始める必要のある相続対策や「遺言書」をまとめておくのも理屈通り、そうそう気分よくできるものではありませんが、それでも後々のことを考えると必要なようです。

賃貸経営の規模が大きくなり、売上げや借入れが増えて財産管理も煩雑になる半面、オーナー様の高齢化が進み、物件管理が負担になったなら、万一に備えて事前に、対策をとっておくことも必要ではないかと思います。

遺言書の役割の認知や相続税に対する措置が徐々に広まっている現在、認知症発症後の相続対策となる「成年後見制度」と「家族信託」が注目を集めています。

高齢化の進展など社会環境の変化に対応するため、約40年ぶりに「相続法」が大きく改正され、自筆証書による遺言書の保管制度など新たな制度が設けられました。
相続対策で分からないことやお困りごとがあれば、何なりとご相談ください。





ちょっと一服
コロナ禍の制約の中、問い合わせ、内見申し込みに臨機応変に対応


この1年間に新たに成人に達した人口は120万人ですが、過去最低を更新しました。
前年と比べると4万人の減少で、総人口に占める割合は0.96%。
男女別に見ると男性は61万人、女性は59万人と、男性が女性より2万人多くなっています。

賃貸住宅入居者のお客様としてご来店いただくのが、ちょうど20歳前後ですので、市場のパイの縮小がいやが上にも現実のものとなっています。

年明けの賃貸住宅市場は、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染者が急増したことで、出鼻をくじかれましたが、部屋をお探しのお客様のメール等の問い合わせは相次いでおります。

やはり年度変わりの時期ですから、制約された中にあっても新生活に向けて移動が進んでいます。
賃貸仲介現場におきましても、問い合わせ、内見申し込みに臨機応変に対応させていただいております。

これから4月半ばにかけて、空室、条件等の確認に急な連絡をさせていただきますので、携帯電話をお手元にお持ちいただき、連絡先の手配をよろしくお願いいたします。





「引越し先の物件選びで重視したことランキング」
物件選びに重視した1位は「家賃・価格」
二人暮らしは「築年数」も重視の傾向



入居者が部屋を探す際、選択のポイントがよく分かるデータが(株)リクルートからこのほど発表されました。
直近1年以内に引越しをした18~69歳を対象に実施した調査、「引越し先の物件選びで重視したことランキング」(複数回答)で、物件選びの要点が明確に出ています。
有効回答数は3,133。

それによりますと、1位はやはり「家賃・価格」で、全体の7割近い人が「重視した」項目に挙げています。
そして2位は「間取り」で、3位が「立地・周辺環境」と続き、4位「面積・広さ」、5位「通勤・通学時間」を多くの人が重視したと回答しています。

やはりこれらの1~5位は、いつの時代も賃貸住宅を選ぶ条件の重要ポイントとなっています。

女性は全ての項目において重視するポイントが高い傾向

次に多かったのが6位の「最寄り駅からの徒歩分数」、7位の「路線・駅やエリア」で、8位の「設備・仕様」、9位の「築年数(新築含む)」、10位の「住宅の向き・方角」となっています。

データを男女別に見ると、女性は男性に比べ、全ての項目において重視するポイントが高いという傾向で、とくに上位3項目に加え、「築年数」においてその傾向が顕著となっています。
男性と比べ10ポイント以上の開きがあります。

また、世帯人数別では、一人暮らしは「家賃・価格」「通勤・通学時間」をより重視する傾向で、二人暮らしは「家賃・価格」「最寄り駅からの徒歩分数」、そして「築年数」をより重視する傾向が見られます。
三人暮らし以上は、「家賃・価格」「最寄り駅からの徒歩分数」は全体よりポイントが低めとなっています。