2017年4月号エスト賃貸経営新聞の賃貸経営新聞 | 埼玉の不動産投資・収益物件・建物管理|株式会社エストハウジング
2017年4月号エスト賃貸経営新聞
貸家の新設着工が増加する中、ほぼ横ばいで推移する賃料水準
法人向け・事業用物件の供給力に力強い動き
春風吹く4月。
街を行く新入社員、新入学生の姿に初々しさを感じる新年度を迎えました。
賃貸市場は落ち着いた中にも時代の動きを反映して、大きなうねりを見せています。
そこで、賃貸住宅を巡る最近のトピックス、トレンドを取り上げます。
日本不動産研究所が公表した「住宅マーケットインデックス2016年下期」によると、平成28年下期の都心5区のマンション賃料は、新築及び中古のどのタイプも前期比でわずかながら下落したが、前年同月比を見るとやや上昇しており、ほぼ横ばいで推移。
東京23区のマンション賃料は、新築、中古の大型タイプは上昇傾向が続いているが、標準・小型タイプは概ね横ばいである、と見ています。
また、不動産情報サービスのアットホームの全国不動産情報ネットワークにおける、平成28年1年間の首都圏・賃貸物件の市場動向では、首都圏の1戸当たり年平均成約賃料は、マンションが8.74万円で、前年比1.8%下落し4年ぶりにマイナス。
アパートは6.20万円で、同0.2%上昇し4年連続のプラス。
これを新築・中古別に見ると、マンションは新築が4年ぶりに下落し、中古は再び下落しています。
ところで3月に公表された帝国データバンクの2月調査の「TDB景気動向調査(全国)」によると、2月の景気DIは前月比0.2ポイント増の45.5となり、2ヵ月ぶりに改善し、不動産需要の高まりで地価の上昇が地方都市へと拡大。
業界別の景況感については、「小規模な賃貸住宅は供給過剰の感があるものの、法人向け・事業用物件の供給に関してはいまだ力強い動きがある」(貸家)と捉えています。
一方、市場の動向と共に注目されている貸家の新設着工ですが、1月は前年同月比12%増の約3万2千戸で、15ヵ月連続の増加となっています。
貸家新設着工の建設資金の流れが国土交通省のデータで読み取れます。
同省が3月10日に発表した平成28年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果によると、賃貸住宅の建設・購入に係る融資(アパートローン)実績で、平成27年度の賃貸住宅向け新規貸出額は3兆6653億円で、前年度より2720億円の増加となっています。
新規貸出額の金融機関別内訳は、地銀が最も多く1兆5762億円、次いで信金8025億円、都銀・信託銀行他が5586億円、農協3023億円、第二地銀2199億円、信組1273億円、モーゲージバンク671億円、損保100億円、生保12億円、労金2億円と続きます。
そして27年度末の賃貸住宅向けの貸出残高は27兆2498億円で、前年度末より2099億円増加。
経年集計では、27年度末の賃貸住宅向け貸出残高は対前年度比6.4%減となっています。
「民泊新法案」閣議決定
新制度の創設で民泊の本格的運用に弾み
賃貸ビジネスの各分野で様々な動き
賃貸住宅の空き部屋を有効活用できると、期待感がやや先行した「民泊」の本格的な運用に弾みがつきそうです。
民泊新法案といわれる「住宅宿泊事業法案」が3月10日に閣議決定されました。
平成25年12月に、規制を大幅に緩和する「国家戦略特別区域法」が施行され、旅館業法を緩和して個人宅や賃貸住宅を宿泊施設などに活用する民泊が具体的に動き出しました。
東京、大阪、京都、福岡の特区エリアに旅館業法の特例を認め、特例が認められると、旅館業法によって貸すことができない外国人旅行者に、一定期間賃貸住宅の滞在が認められました。
民泊が全国で解禁される民泊新法案は、住宅宿泊事業に係る届出制度の創設のほか、住宅宿泊管理業、住宅宿泊仲介業それぞれに係る登録制度が創設されます。
主な内容は
①住宅宿泊業を営もうとする場合、都道府県知事への届出が必要
②地域の実情を反映する仕組みを導入
③年間の営業日数の上限は180日
④仲介業者は観光長官への登録が必要
⑤住宅宿泊管理業を営もうとする場合、国土交通大臣への登録が必要
⑥無許可営業に対する罰金として上限100万円が課される
…というもの。
東京オリンピック開催までに訪日客4千万人の目標が立てられていることもあって、民泊サービスの普及に期待が寄せられています。
ただ本格運用を前に課題も残されていて、これから法案の施行が予定される来年1月までに問題解決の調整が続きそうです。
すでに賃貸ビジネスの各分野で様々な動きが見られ、一棟まるごと民泊マンションのオープンや民泊物件に特化したサービスの開始、民泊事業をサポートする民泊ビジネスの相次ぐ参入など、今後、民泊動向に目が離せません。
ニュースフラッシュ
訪日観光客による消費・宿泊需要を背景に
三大都市圏、地方都市の地価上昇が継続
全国主要都市の土地や不動産の動向が的確に分かる高度利用地地価動向報告「地価LOOKレポート」が、3ヵ月に一度、国土交通省から公表されます。
最新版の平成28年第4四半期(平成28年10月1日~29年1月1日)によりますと、三大都市圏に加え、地方都市の札幌、仙台、金沢、福岡でも比較的高い地価の上昇が継続して、上昇地区は前期比2%増の84%となっています。
こうした地価が上昇した主な要因は、空室率の低下等によるオフィス市況の改善や、大都市等における再開発事業の進捗。
そして、訪日観光客による消費・宿泊需要などの要因を背景に、オフィス、店舗、ホテルに対する投資が引き続き堅調に推移したことが挙げられています。
商業地の3地区で横ばいから上昇に転じた一方、名古屋圏、大阪圏の一部地区の商業地では、上昇幅が縮小しました。
さらに、東京圏の一部地区では、上昇から横ばいへ、また横ばいから上昇へと各1地区が転じ、横ばい地区は前期比2%減の16%でした。
多様な広がりを見せる高齢者向け賃貸住宅
高齢者需要の促進で入居率を高める
高齢者の増加傾向を反映して、賃貸市場においても高齢者の存在感が高まっています。
国の政策においても、住宅セーフティネット機能の強化と呼応して、賃貸住宅供給の促進に力を注いでいます。
高齢者向け賃貸住宅は最近ではシニア向け賃貸住宅とも呼ばれています。
高齢者向け賃貸住宅と一概にいっても、高齢者にも制限することなく、広く開放している通常の賃貸住宅のほか、60歳以上の高齢者の単身・夫婦世帯等を対象とした「高齢者向け優良賃貸住宅」(高優賃)、バリアフリー構造等を有し、介護・医療と連携して高齢者を支援するサービス付き高齢者向け住宅」(サ高住・サ付き)など、高齢者に特化した専門住宅があります。
また、高齢者専用として、ヘルパー24時間の常勤を入居条件としている物件もあります。
高齢者専用といっても入居条件は各施設ごとに内容が違い多様化が急速に進んでいるのです。
さらに国は、民間の空き家・空き室を活用して、住宅セーフティネット機能の強化を図るために、高齢者、低額所得者、子育て世代に対し、賃貸住宅の登録制度を創設する法律案をこの2月に閣議決定しています。
ところでわが国の高齢者を取り巻く実態ですが、日本国民の4人に1人が65歳以上という高齢社会で、平成28年版高齢社会白書によると、平成27年10月1日現在の総人口1億2711万人のうち、65歳以上の高齢者は3392万人。
総人口1億2711万人のうち、65歳以上の高齢者は3392万人。
総人口に占める65歳以上人口の割合、つまり高齢化率は26.7%で、さらに65歳以上の一人暮らし高齢者の増加は男女ともに顕著な傾向を見せています。
そして高齢単身世帯の3分の1以上が借家に居住されています。
これからの賃貸経営を考える上で、大きなキーワードになっています。
実際、社会の高齢化を反映して、賃貸市場においても高齢者の存在感が高まっています。
全国的にも高齢者の各店舗への来客数は一定数を維持し、居住期間も学生・単身・ファミリーと比べてやや長めとなるケースが多い傾向を見せています。
このように見てきますと、賃貸市場において、高齢者対応の重要性が今後益々高まっていくのが分かります。
国の政策においても高齢者の居住確保に、全面的なバックアップを打ち出しており、入居率を高めるためにも、高齢者需要の促進は課題事項と考えられます。
賃貸経営ワンポイントアドバイス
建物のイメージ一新は契約促進に有用
目立つ箇所・設備類中心にリフォーム
リフォームには二つのポイント
入居者の入退去が続く賃貸住宅は、どうしても傷みがちとなります。
建物の美観、性能を落とさないためにも小まめな補修・修理は欠かせません。
建物も10年を過ぎるとそうした修理の頻度が高まり、費用がかさんで収益を圧迫することになります。
そうしたことから考えるのがリフォームです。
古くなった設備を取り替えるタイミングを見計らって水回りの設備を一新すると、建物のイメージは一変して契約の促進に有用なことは多くの実例が示しています。
建物全体が10年、20年と古くなってそれなりに趣を見せていても、内部の設備が使い古された昔のままでは時代遅れのイメージは拭えません。
下見にご案内しても見栄えによって契約の決定が大きく左右されます。
こうしたこともあって、リフォームは築15年から20年、もしくは10年を経過すれば避けて通れないことになります。
そこで投資効率を最大限に生かすリフォームのポイントですが、まず挙げられるのは、リフォームに実績のある慣れた専門業者に依頼することです。
建設会社と一口にいっても、マンション建設がメインのところと、2階建て8戸程度の木造アパートを得意とする工務店など、得意分野、専門性は様々です。
新築で立派な工事の実績があるからリフォームも大丈夫というわけではないのです。
完成済みの建物の一部分を取り出して工事するリフォームは、配管処理や部分的な作業に慣れていないと後でとんでもない間違いが生じることにもなりかねません。
リフォーム成功のコツはリフォーム専門業者に任せることが第一のポイントです。
第二は限られた予算を有効に活用するために、事前にじっくり計画を立てて内容を絞ること。
予算をふんだんに使えばいろいろなことができますが、収益ラインをオーバーすればなんにもなりません。
傷みの目立つ箇所・設備中心にまとめるのが無難と思われます。
ちょっと一服
新春の商戦もいよいよ大詰め
整備された物件は足が速い
桜の咲く季節となりました。
これから気候が和み、木々の芽が吹き、昆虫類が飛び交って自然が躍動する時節を迎えます。
分厚いコートや毛糸のセーターから解放されるだけでも気持ちが高まります。
年明けから始まった新春の商戦も、いよいよ大詰めを迎えています。
しかしまだ学校、職場での新生活の新居となる賃貸住宅を決めかねておられる方がたくさんおられますので、まだ1ヵ月ほど気を抜くことなく、残りの商戦に臨みたいと思います。
オーナー様におかれましても急な連絡に備えて、携帯電話等のご用意をお願いします。
今年のお客様の主だった傾向をお話ししますと、基本的には交通便などの足回りを重視して、設備の充実具合を評価した上で契約に至っています。
賃料・初期費用はやはり地域の相場観がありますので、極端な差異、値引きは生じていません。
それでもタイムリーな値段交渉、フリーレントが契約に弾みをつけているのは確かです。
費用対効果として、よく話題となることですが、リフォームや設備の更新が行われ、清掃等の住環境が整備された物件は、建物の古さにさほど影響されずに契約の足が速いといった感を強くします。
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エスト賃貸経営新聞一覧
法人向け・事業用物件の供給力に力強い動き
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街を行く新入社員、新入学生の姿に初々しさを感じる新年度を迎えました。
賃貸市場は落ち着いた中にも時代の動きを反映して、大きなうねりを見せています。
そこで、賃貸住宅を巡る最近のトピックス、トレンドを取り上げます。
日本不動産研究所が公表した「住宅マーケットインデックス2016年下期」によると、平成28年下期の都心5区のマンション賃料は、新築及び中古のどのタイプも前期比でわずかながら下落したが、前年同月比を見るとやや上昇しており、ほぼ横ばいで推移。
東京23区のマンション賃料は、新築、中古の大型タイプは上昇傾向が続いているが、標準・小型タイプは概ね横ばいである、と見ています。
また、不動産情報サービスのアットホームの全国不動産情報ネットワークにおける、平成28年1年間の首都圏・賃貸物件の市場動向では、首都圏の1戸当たり年平均成約賃料は、マンションが8.74万円で、前年比1.8%下落し4年ぶりにマイナス。
アパートは6.20万円で、同0.2%上昇し4年連続のプラス。
これを新築・中古別に見ると、マンションは新築が4年ぶりに下落し、中古は再び下落しています。
ところで3月に公表された帝国データバンクの2月調査の「TDB景気動向調査(全国)」によると、2月の景気DIは前月比0.2ポイント増の45.5となり、2ヵ月ぶりに改善し、不動産需要の高まりで地価の上昇が地方都市へと拡大。
業界別の景況感については、「小規模な賃貸住宅は供給過剰の感があるものの、法人向け・事業用物件の供給に関してはいまだ力強い動きがある」(貸家)と捉えています。
一方、市場の動向と共に注目されている貸家の新設着工ですが、1月は前年同月比12%増の約3万2千戸で、15ヵ月連続の増加となっています。
貸家新設着工の建設資金の流れが国土交通省のデータで読み取れます。
同省が3月10日に発表した平成28年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果によると、賃貸住宅の建設・購入に係る融資(アパートローン)実績で、平成27年度の賃貸住宅向け新規貸出額は3兆6653億円で、前年度より2720億円の増加となっています。
新規貸出額の金融機関別内訳は、地銀が最も多く1兆5762億円、次いで信金8025億円、都銀・信託銀行他が5586億円、農協3023億円、第二地銀2199億円、信組1273億円、モーゲージバンク671億円、損保100億円、生保12億円、労金2億円と続きます。
そして27年度末の賃貸住宅向けの貸出残高は27兆2498億円で、前年度末より2099億円増加。
経年集計では、27年度末の賃貸住宅向け貸出残高は対前年度比6.4%減となっています。
「民泊新法案」閣議決定
新制度の創設で民泊の本格的運用に弾み
賃貸ビジネスの各分野で様々な動き
賃貸住宅の空き部屋を有効活用できると、期待感がやや先行した「民泊」の本格的な運用に弾みがつきそうです。
民泊新法案といわれる「住宅宿泊事業法案」が3月10日に閣議決定されました。
平成25年12月に、規制を大幅に緩和する「国家戦略特別区域法」が施行され、旅館業法を緩和して個人宅や賃貸住宅を宿泊施設などに活用する民泊が具体的に動き出しました。
東京、大阪、京都、福岡の特区エリアに旅館業法の特例を認め、特例が認められると、旅館業法によって貸すことができない外国人旅行者に、一定期間賃貸住宅の滞在が認められました。
民泊が全国で解禁される民泊新法案は、住宅宿泊事業に係る届出制度の創設のほか、住宅宿泊管理業、住宅宿泊仲介業それぞれに係る登録制度が創設されます。
主な内容は
①住宅宿泊業を営もうとする場合、都道府県知事への届出が必要
②地域の実情を反映する仕組みを導入
③年間の営業日数の上限は180日
④仲介業者は観光長官への登録が必要
⑤住宅宿泊管理業を営もうとする場合、国土交通大臣への登録が必要
⑥無許可営業に対する罰金として上限100万円が課される
…というもの。
東京オリンピック開催までに訪日客4千万人の目標が立てられていることもあって、民泊サービスの普及に期待が寄せられています。
ただ本格運用を前に課題も残されていて、これから法案の施行が予定される来年1月までに問題解決の調整が続きそうです。
すでに賃貸ビジネスの各分野で様々な動きが見られ、一棟まるごと民泊マンションのオープンや民泊物件に特化したサービスの開始、民泊事業をサポートする民泊ビジネスの相次ぐ参入など、今後、民泊動向に目が離せません。
ニュースフラッシュ
訪日観光客による消費・宿泊需要を背景に
三大都市圏、地方都市の地価上昇が継続
全国主要都市の土地や不動産の動向が的確に分かる高度利用地地価動向報告「地価LOOKレポート」が、3ヵ月に一度、国土交通省から公表されます。
最新版の平成28年第4四半期(平成28年10月1日~29年1月1日)によりますと、三大都市圏に加え、地方都市の札幌、仙台、金沢、福岡でも比較的高い地価の上昇が継続して、上昇地区は前期比2%増の84%となっています。
こうした地価が上昇した主な要因は、空室率の低下等によるオフィス市況の改善や、大都市等における再開発事業の進捗。
そして、訪日観光客による消費・宿泊需要などの要因を背景に、オフィス、店舗、ホテルに対する投資が引き続き堅調に推移したことが挙げられています。
商業地の3地区で横ばいから上昇に転じた一方、名古屋圏、大阪圏の一部地区の商業地では、上昇幅が縮小しました。
さらに、東京圏の一部地区では、上昇から横ばいへ、また横ばいから上昇へと各1地区が転じ、横ばい地区は前期比2%減の16%でした。
多様な広がりを見せる高齢者向け賃貸住宅
高齢者需要の促進で入居率を高める
高齢者の増加傾向を反映して、賃貸市場においても高齢者の存在感が高まっています。
国の政策においても、住宅セーフティネット機能の強化と呼応して、賃貸住宅供給の促進に力を注いでいます。
高齢者向け賃貸住宅は最近ではシニア向け賃貸住宅とも呼ばれています。
高齢者向け賃貸住宅と一概にいっても、高齢者にも制限することなく、広く開放している通常の賃貸住宅のほか、60歳以上の高齢者の単身・夫婦世帯等を対象とした「高齢者向け優良賃貸住宅」(高優賃)、バリアフリー構造等を有し、介護・医療と連携して高齢者を支援するサービス付き高齢者向け住宅」(サ高住・サ付き)など、高齢者に特化した専門住宅があります。
また、高齢者専用として、ヘルパー24時間の常勤を入居条件としている物件もあります。
高齢者専用といっても入居条件は各施設ごとに内容が違い多様化が急速に進んでいるのです。
さらに国は、民間の空き家・空き室を活用して、住宅セーフティネット機能の強化を図るために、高齢者、低額所得者、子育て世代に対し、賃貸住宅の登録制度を創設する法律案をこの2月に閣議決定しています。
ところでわが国の高齢者を取り巻く実態ですが、日本国民の4人に1人が65歳以上という高齢社会で、平成28年版高齢社会白書によると、平成27年10月1日現在の総人口1億2711万人のうち、65歳以上の高齢者は3392万人。
総人口1億2711万人のうち、65歳以上の高齢者は3392万人。
総人口に占める65歳以上人口の割合、つまり高齢化率は26.7%で、さらに65歳以上の一人暮らし高齢者の増加は男女ともに顕著な傾向を見せています。
そして高齢単身世帯の3分の1以上が借家に居住されています。
これからの賃貸経営を考える上で、大きなキーワードになっています。
実際、社会の高齢化を反映して、賃貸市場においても高齢者の存在感が高まっています。
全国的にも高齢者の各店舗への来客数は一定数を維持し、居住期間も学生・単身・ファミリーと比べてやや長めとなるケースが多い傾向を見せています。
このように見てきますと、賃貸市場において、高齢者対応の重要性が今後益々高まっていくのが分かります。
国の政策においても高齢者の居住確保に、全面的なバックアップを打ち出しており、入居率を高めるためにも、高齢者需要の促進は課題事項と考えられます。
賃貸経営ワンポイントアドバイス
建物のイメージ一新は契約促進に有用
目立つ箇所・設備類中心にリフォーム
リフォームには二つのポイント
入居者の入退去が続く賃貸住宅は、どうしても傷みがちとなります。
建物の美観、性能を落とさないためにも小まめな補修・修理は欠かせません。
建物も10年を過ぎるとそうした修理の頻度が高まり、費用がかさんで収益を圧迫することになります。
そうしたことから考えるのがリフォームです。
古くなった設備を取り替えるタイミングを見計らって水回りの設備を一新すると、建物のイメージは一変して契約の促進に有用なことは多くの実例が示しています。
建物全体が10年、20年と古くなってそれなりに趣を見せていても、内部の設備が使い古された昔のままでは時代遅れのイメージは拭えません。
下見にご案内しても見栄えによって契約の決定が大きく左右されます。
こうしたこともあって、リフォームは築15年から20年、もしくは10年を経過すれば避けて通れないことになります。
そこで投資効率を最大限に生かすリフォームのポイントですが、まず挙げられるのは、リフォームに実績のある慣れた専門業者に依頼することです。
建設会社と一口にいっても、マンション建設がメインのところと、2階建て8戸程度の木造アパートを得意とする工務店など、得意分野、専門性は様々です。
新築で立派な工事の実績があるからリフォームも大丈夫というわけではないのです。
完成済みの建物の一部分を取り出して工事するリフォームは、配管処理や部分的な作業に慣れていないと後でとんでもない間違いが生じることにもなりかねません。
リフォーム成功のコツはリフォーム専門業者に任せることが第一のポイントです。
第二は限られた予算を有効に活用するために、事前にじっくり計画を立てて内容を絞ること。
予算をふんだんに使えばいろいろなことができますが、収益ラインをオーバーすればなんにもなりません。
傷みの目立つ箇所・設備中心にまとめるのが無難と思われます。
ちょっと一服
新春の商戦もいよいよ大詰め
整備された物件は足が速い
桜の咲く季節となりました。
これから気候が和み、木々の芽が吹き、昆虫類が飛び交って自然が躍動する時節を迎えます。
分厚いコートや毛糸のセーターから解放されるだけでも気持ちが高まります。
年明けから始まった新春の商戦も、いよいよ大詰めを迎えています。
しかしまだ学校、職場での新生活の新居となる賃貸住宅を決めかねておられる方がたくさんおられますので、まだ1ヵ月ほど気を抜くことなく、残りの商戦に臨みたいと思います。
オーナー様におかれましても急な連絡に備えて、携帯電話等のご用意をお願いします。
今年のお客様の主だった傾向をお話ししますと、基本的には交通便などの足回りを重視して、設備の充実具合を評価した上で契約に至っています。
賃料・初期費用はやはり地域の相場観がありますので、極端な差異、値引きは生じていません。
それでもタイムリーな値段交渉、フリーレントが契約に弾みをつけているのは確かです。
費用対効果として、よく話題となることですが、リフォームや設備の更新が行われ、清掃等の住環境が整備された物件は、建物の古さにさほど影響されずに契約の足が速いといった感を強くします。
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