2017年12月号エスト賃貸経営新聞の賃貸経営新聞 | 埼玉の不動産投資・収益物件・建物管理|株式会社エストハウジング
2017年12月号エスト賃貸経営新聞
景気改善が続く中、民法の改正など賃貸経営が直面する懸案事項
賃貸経営のキーワードにも時代の動向が反映
今年も色々ありましたが、残り1ヵ月となりました。
景気改善が続く中、ここ一年の賃貸経営を取り巻く環境を振り返ってみますと、安定成長の中にも、各分野にわたって多くの懸案事項が起きています。
今年の主だった出来事や話題を見ていきます。
賃貸経営は景気の動向にそれほど大きく左右されませんが、景気はいいに越したことはありません。
景気改善が進む中、賃貸市場も落ち着いているといえそうです。
相続税対策と空前の低金利が後押しした賃貸受託の新設増の傾向に、ブレーキがかかり始めています。
9月の貸家の新設着工は、前年比4ヵ月連続の減少を見せ、マイナス傾向は全国的な現象で、東京都内においても9月の貸家新設は6ヵ月連続の減少となっています。
新築の供給が鈍ることで市況の回復にどう影響するか、直ぐには表面化しないが今後の動向が注目されます。
ところで、明治29年以来初めて改正される「民法」の債権関係の法律、「民法の改正案」が可決、成立しました。
施行は2020年の見通しですが、契約ルールの抜本的な見直しとなる改正案によって、いよいよ賃貸住宅に関しても、「敷金」「原状回復」について新しいルールが定められます。
4年前の平成25年に、東京、大阪など「国家戦略特別区域」で、賃貸住宅の部屋を宿泊施設として有効活用できると、期待感がやや先行した「民泊」事業。
民泊新法が公布されましたが、民泊関連法が全部揃っていないことから、まだ多くの難問に直面しています。
外国人を対象とする宿泊ビジネスだけに、管理、メンテナンス等において問題を残しているようです。
仕事や学業で日本に中長期滞在する在留外国人が増加の一方で、過去最高となっています。
この傾向は今後もさらに続くことが予想されており、外国人の訪日、中長期滞在は広がると見られ、賃貸住宅における外国人対応が課題になりつつあります。
外国人、高齢者対応はこれからの賃貸経営の大きなキーワード
日本国民の4人に1人が65歳以上という高齢社会で、賃貸市場においても高齢者の存在が高まっています。
高齢単身世帯の3分の1以上が借家に居住されていることから、これからの賃貸経営を考える上で、外国人、高齢者対応は大きなキーワードになっています。
おりしも賃貸住宅の活用を図る新しい住宅セーフティネット法が10月25日からスタートしました。
高齢者、低額所得者、子育て世代、障害者、被災者などの住宅の確保にとくに配慮を要する人達(住宅確保要配慮者)の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度を創設して、住宅セーフティネット機能の強化を図るというものです。
そしてこれからの賃貸経営で目に留めておきたいのが、賃貸住宅の「進化」です。
建物、設備のレベルアップの一方、技術改革も進み、ハイレベルなメカニックの実用化が進んでいます。
(2面の『新時代を迎えた賃貸現場のIT環境の広がり』参照)
「宅配ボックス付き賃貸住宅」
あれば便利から必要性の高い設備へ
要望が急速に高まっています
留守をしている時に荷物(宅配物)が届いた場合、その荷物を一時的に収納するボックスがあればどれほど便利か、一人暮らしや共働き夫婦には実感されることと思います。
賃貸住宅入居者向けのアンケートでも、あれば便利、欲しい設備の筆頭に「宅配ボックス」が急浮上しています。
事実、賃貸住宅の募集サイトでも、「宅配ボックス」付きとして紹介されるケースが増えています。
国の方針でも宅配ボックスの設置促進は、再配達の減少につながり、「働き方改革の実現」「物流生産性革命の推進」に重要度が高いと捉えています。
そのために、共同住宅の共用の廊下と一体となった宅配ボックスの設置部分について国土交通省は、容積率規制の対象外とする運用を明確化する通知をこの11月10日、特定行政庁等に対し通知しています。
国も宅配ボックス設置の重要度は高いと捉える
共同住宅における宅配ボックス設置部分の容積率規制に係わる運用の明確化を図るため、「共同住宅の共用の廊下に宅配ボックス等を設置した場合に建築物の容積率算定の基礎となる延べ面積に算入しないものと扱って差し支えないもの」としています。
宅配ボックスといえば、つい最近までは、あれば便利だがまだぜいたく品といった見方が大勢でしたが、温水洗浄便座同様に、あれば便利から必要度の高い設備となってきました。
幸いなことにスチール製のボックスですから、施工は簡単で、既築の賃貸住宅にも後付け工事は比較的容易なため、スペースを工夫して設置すれば物件の差別化に結びつき、入居者募集にも役立ちますので、これから一気に増えるのではないでしょうか。
ニュースフラッシュ
9月の貸家の新設着工4ヵ月連続の減少
10~12月見通しにマイナス予測(住団連)
国土交通省が発表した9月の貸家の新設着工は、前年同月比2.3%減の3万7521戸で、4ヵ月連続の減少となっています。
公的資金による貸家は増加したが、民間資金による貸家が減少したため、貸家全体で減少となっています。
貸家の今年1月~9月の合計では、前年比1.6%増の31万434戸。
一方、メーカー団体の住宅生産団体連合会が公表した低層住宅に関する10月度の「経営者の住宅景況感調査」結果によると、低層賃貸住宅の平成29年度第2四半期(平成29年7~9月)実績の景況判断指数は、対前年同期比で、前7月度予測に対し、受注戸数マイナス58ポイント、受注金額マイナス25ポイント、どちらも4四半期連続でマイナスとなっています。
平成29年度第3四半期(平成29年10~12月)見通しの景況判断指数は、受注戸数マイナス13ポイント、受注金額マイナス13ポイントと、前期以上のマイナスを予測する結果となっています。
新時代を迎えた賃貸現場のIT環境の広がり
SNS他AI、IoTサービスの浸透
不動産の賃貸取引において、テレビ会議のITを活用した重要事項説明「IT重説」の本格運用がこの10月1日から始まりました。
賃貸住宅を取り巻くIT環境が急速に変化を遂げています。
パソコンやテレビ等の端末を利用して、対面と同様に説明・質疑応答を行うIT重説の導入によって、賃貸市場のIT化が加速、契約のオンライン化が実現しようとしています。
賃貸住宅の仲介現場にインターネットが本格的に浸透して、かれこれ10余年が経過します。
この間、ネット環境を無視して仲介業務はもとより、賃貸経営ができないほど重要度を増しています。
第一、部屋を探している入居者が欲しい設備に、インターネットの「Wi-Fi」が上位にあるのはよく知られているとおりです。
ところで、ネットツールの中でも物件を紹介するシステムとして「SNS(ソーシャルネットワーキング・サービス)」が、多様な広がりを見せています。
「登録された利用者同士が交流できるWebサイトの会員制サービス」のSNSは、よく知られているフェイスブック、ツイッター、ラインの3つのほか、写真系のインスタグラム、動画系のユーチューブ、日記スタイルのブログがその特徴を生かしてよく利用されています。
ITツールの中でも早くから活用されてきただけに利用者が多いのですが、手っ取り早く物件を紹介したり、入居者向けの連絡用、賃貸経営に役立つ情報の入手に広く使われています。
経営のあり方をも変えるAIのサービスメニュー
そして今日、目を離せないのがインターネットと自動認識や自動制御のIoT(モノのインターネット)サービス。
スマートフォン一つを使って、物件の紹介から下見の案内にVR(バーチャルリアリティ)を使い、気に入って契約に至ればIT重説まで。
そして鍵の受け渡し、取り換えもスマートロックで行うといったIT・オンライン化が現実のものとなっています。
国土交通省のIT重説導入を機に、来年にかけてグーグルの対話型AI・音声アシストやIoTサービスの急速な陳t内住宅への浸透が進むものとみられています。
こうしたIT化の広がりが賃貸住宅の構造はもとより、経営のあり方をも大きく変えようとしています。
今後、賃貸経営においてもAI、IoTの動向に無関心ではおれないようです。
賃貸経営ワンポイントアドバイス
突発的な事件、事故発生に対する難しさ
賃貸経営のリスク要因に日頃から備える
厳重にガードを固めておく
神奈川県座間市でとんでもない猟奇事件が発生しました。
現場はアパートです。
こうした事件に際し、改めて賃貸経営のリスク要因の難しさに直面します。
入居後の事件、事故に対しては打つ手がないというのが実態です。
事件も事故も多くが予測不能な侵入犯や、社会生活における人間関係のもつれなどによる複雑な要因によって引き起こされるケースが多く、座間の事件では入居者との面談も行っているだけに、あらためて事件防止の難しさを痛感するものです。
では、貸主は不可抗力による被害者という立場で、なす術もないのかということですが、基本的な対応策としておよそ次のことが考えられます。
まず第一は、事前に事件・事故発生に対するガードを固めておくという意味合いから、やはり入居手続きの際の面談で入居者の人となりをしっかり確認すること。
勤め先や生活態度である程度人物像が判断されます。
このプロセスで入居後、問題が起きそうなリスク要因を最低限退けておきたいものです。
事前に人を選別するのは難しく、入居条件のハードルを高くすれば、契約にも影響するのですが、賃貸経営の基本ともいえる『優良入居者』を選ぶのも仲介業務の役目です。
次に、建物および建物敷地周辺の防犯に気を配り、窃盗やストーカー犯罪、のぞき、性犯罪などの芽を摘むなど、隙をつくらないで、防犯に対する備えを厳重にしておきます。
そして万一に備えて、保険をかけておくことです。
賃貸住宅入居者の自殺、犯罪死、孤独死等により、貸主が被る家賃収入減少等の損害を補償する補償保険に加入するなど、日頃から突発的な事件、事故に対する注意事項の積み重ねが求められます。
その上で心理的瑕疵に直面した場合、「入居者募集対策」にも工夫が必要となってきます。
その際は弊社におきましてバックアップさせていただきます。
ちょっと一服
今年一年ありがとうございました
準備万端に新年を迎えたいものです
古風ですが、師も走る「師走」を迎えました。
仕事に私事に日々奮闘していますと、年末の実感は湧いてきません。
それでも街中はこれから、気ぜわしくなります。
景気の好調が続いているようです。
これもよくいわれるようになかなか実感が伴わないのですが、高度成長期の1965~70年の「いざなぎ景気」を超えているようです。
帝国データバンクの10月調査「TDB景気動向調査(全国)」結果でも「2017年10月の景気DIは前月比0.7ポイント増の49.1となり、5ヵ月連続で改善した」と、景気の回復傾向に弾みがついているようです。
年が明ければ新春商戦がスタートして忙しくなります。
年内も残り少なくなってきましたが、物件の気になる箇所はこの時期にメンテナンスを施して、準備万端に新年を迎えたいものです。
急なご連絡に必須の携帯電話も充電が十分にできない場合などは、早めの機種変更をお勧めします。
電池の入手には意外と手間取りあわてることになります。
今年一年、大変お世話になり、ありがとうございました。
「不動産情報サイト利用者意識アンケート」調査結果(RSC)
探す際に希望する設備は「バス・トイレ別」「エアコン付」「室内洗濯機置場」がトップ3
不動産情報サイトの運営事業者で構成されている不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)が、一般消費者向けに実施した「不動産情報サイト利用者意識アンケート」の調査結果がこのほど発表されました。
調査は不動産情報サイトの利用実態とその推移を調査するためのもので、物件契約に至ったユーザーの行動や特徴を中心にまとめています。
賃貸関連で参考になるポイントを紹介します。
物件を「契約した人」が検索に利用したものは、全年代で「PC」は男性、「スマホ」は女性の場合が多く、年代別では男女とも20代以下~40代はスマホの割合が高いのですが、パソコンの利用も依然一定水準を維持しています。
物件を契約した人が検討時に問い合わせた不動産会社数は、「2社」の割合が最も高く27.9%。
「3社までの合計」は74.2%と前年調査比10ポイント近く低下し、平均は「2.8社」。
問い合わせ物件数大幅に減少
消費者の選別の目が厳しくなる
また、物件を契約した人が検討時に問い合わせた物件数は、「6物件以上」の割合が最も高く25.9%、以下「1物件」「3物件」と続き、平均は「4.9物件」で、前年より1.3物件減少。
平均物件数は、賃貸より売買、男性より女性の方が多く、前年比減少幅についても、賃貸より売買、男性より女性の方が大きくなっています。
不動産会社数と同様、問い合わせる物件数も大幅に減少しており、消費者の選別の目が厳しくなっていることが分かります。
物件情報を探す際に希望する設備については、賃貸物件では、「バス・トイレ別」「エアコン付」「室内洗濯機置場」がトップ3となっています。
このほかトップ10には次の7点が選ばれています。
独立洗面台、フローリング、インターネット無料、追い焚き風呂、駐車場あり、都市ガス、TVモニター付インターフォン。
なお、「TVモニター付インターフォン」は売買・賃貸ともにトップ10に入っており、セキュリティ対策としてユーザーニーズが高まっているのが分かります。
過去の記事はこちらから
エスト賃貸経営新聞一覧
賃貸経営のキーワードにも時代の動向が反映
今年も色々ありましたが、残り1ヵ月となりました。
景気改善が続く中、ここ一年の賃貸経営を取り巻く環境を振り返ってみますと、安定成長の中にも、各分野にわたって多くの懸案事項が起きています。
今年の主だった出来事や話題を見ていきます。
賃貸経営は景気の動向にそれほど大きく左右されませんが、景気はいいに越したことはありません。
景気改善が進む中、賃貸市場も落ち着いているといえそうです。
相続税対策と空前の低金利が後押しした賃貸受託の新設増の傾向に、ブレーキがかかり始めています。
9月の貸家の新設着工は、前年比4ヵ月連続の減少を見せ、マイナス傾向は全国的な現象で、東京都内においても9月の貸家新設は6ヵ月連続の減少となっています。
新築の供給が鈍ることで市況の回復にどう影響するか、直ぐには表面化しないが今後の動向が注目されます。
ところで、明治29年以来初めて改正される「民法」の債権関係の法律、「民法の改正案」が可決、成立しました。
施行は2020年の見通しですが、契約ルールの抜本的な見直しとなる改正案によって、いよいよ賃貸住宅に関しても、「敷金」「原状回復」について新しいルールが定められます。
4年前の平成25年に、東京、大阪など「国家戦略特別区域」で、賃貸住宅の部屋を宿泊施設として有効活用できると、期待感がやや先行した「民泊」事業。
民泊新法が公布されましたが、民泊関連法が全部揃っていないことから、まだ多くの難問に直面しています。
外国人を対象とする宿泊ビジネスだけに、管理、メンテナンス等において問題を残しているようです。
仕事や学業で日本に中長期滞在する在留外国人が増加の一方で、過去最高となっています。
この傾向は今後もさらに続くことが予想されており、外国人の訪日、中長期滞在は広がると見られ、賃貸住宅における外国人対応が課題になりつつあります。
外国人、高齢者対応はこれからの賃貸経営の大きなキーワード
日本国民の4人に1人が65歳以上という高齢社会で、賃貸市場においても高齢者の存在が高まっています。
高齢単身世帯の3分の1以上が借家に居住されていることから、これからの賃貸経営を考える上で、外国人、高齢者対応は大きなキーワードになっています。
おりしも賃貸住宅の活用を図る新しい住宅セーフティネット法が10月25日からスタートしました。
高齢者、低額所得者、子育て世代、障害者、被災者などの住宅の確保にとくに配慮を要する人達(住宅確保要配慮者)の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度を創設して、住宅セーフティネット機能の強化を図るというものです。
そしてこれからの賃貸経営で目に留めておきたいのが、賃貸住宅の「進化」です。
建物、設備のレベルアップの一方、技術改革も進み、ハイレベルなメカニックの実用化が進んでいます。
(2面の『新時代を迎えた賃貸現場のIT環境の広がり』参照)
「宅配ボックス付き賃貸住宅」
あれば便利から必要性の高い設備へ
要望が急速に高まっています
留守をしている時に荷物(宅配物)が届いた場合、その荷物を一時的に収納するボックスがあればどれほど便利か、一人暮らしや共働き夫婦には実感されることと思います。
賃貸住宅入居者向けのアンケートでも、あれば便利、欲しい設備の筆頭に「宅配ボックス」が急浮上しています。
事実、賃貸住宅の募集サイトでも、「宅配ボックス」付きとして紹介されるケースが増えています。
国の方針でも宅配ボックスの設置促進は、再配達の減少につながり、「働き方改革の実現」「物流生産性革命の推進」に重要度が高いと捉えています。
そのために、共同住宅の共用の廊下と一体となった宅配ボックスの設置部分について国土交通省は、容積率規制の対象外とする運用を明確化する通知をこの11月10日、特定行政庁等に対し通知しています。
国も宅配ボックス設置の重要度は高いと捉える
共同住宅における宅配ボックス設置部分の容積率規制に係わる運用の明確化を図るため、「共同住宅の共用の廊下に宅配ボックス等を設置した場合に建築物の容積率算定の基礎となる延べ面積に算入しないものと扱って差し支えないもの」としています。
宅配ボックスといえば、つい最近までは、あれば便利だがまだぜいたく品といった見方が大勢でしたが、温水洗浄便座同様に、あれば便利から必要度の高い設備となってきました。
幸いなことにスチール製のボックスですから、施工は簡単で、既築の賃貸住宅にも後付け工事は比較的容易なため、スペースを工夫して設置すれば物件の差別化に結びつき、入居者募集にも役立ちますので、これから一気に増えるのではないでしょうか。
ニュースフラッシュ
9月の貸家の新設着工4ヵ月連続の減少
10~12月見通しにマイナス予測(住団連)
国土交通省が発表した9月の貸家の新設着工は、前年同月比2.3%減の3万7521戸で、4ヵ月連続の減少となっています。
公的資金による貸家は増加したが、民間資金による貸家が減少したため、貸家全体で減少となっています。
貸家の今年1月~9月の合計では、前年比1.6%増の31万434戸。
一方、メーカー団体の住宅生産団体連合会が公表した低層住宅に関する10月度の「経営者の住宅景況感調査」結果によると、低層賃貸住宅の平成29年度第2四半期(平成29年7~9月)実績の景況判断指数は、対前年同期比で、前7月度予測に対し、受注戸数マイナス58ポイント、受注金額マイナス25ポイント、どちらも4四半期連続でマイナスとなっています。
平成29年度第3四半期(平成29年10~12月)見通しの景況判断指数は、受注戸数マイナス13ポイント、受注金額マイナス13ポイントと、前期以上のマイナスを予測する結果となっています。
新時代を迎えた賃貸現場のIT環境の広がり
SNS他AI、IoTサービスの浸透
不動産の賃貸取引において、テレビ会議のITを活用した重要事項説明「IT重説」の本格運用がこの10月1日から始まりました。
賃貸住宅を取り巻くIT環境が急速に変化を遂げています。
パソコンやテレビ等の端末を利用して、対面と同様に説明・質疑応答を行うIT重説の導入によって、賃貸市場のIT化が加速、契約のオンライン化が実現しようとしています。
賃貸住宅の仲介現場にインターネットが本格的に浸透して、かれこれ10余年が経過します。
この間、ネット環境を無視して仲介業務はもとより、賃貸経営ができないほど重要度を増しています。
第一、部屋を探している入居者が欲しい設備に、インターネットの「Wi-Fi」が上位にあるのはよく知られているとおりです。
ところで、ネットツールの中でも物件を紹介するシステムとして「SNS(ソーシャルネットワーキング・サービス)」が、多様な広がりを見せています。
「登録された利用者同士が交流できるWebサイトの会員制サービス」のSNSは、よく知られているフェイスブック、ツイッター、ラインの3つのほか、写真系のインスタグラム、動画系のユーチューブ、日記スタイルのブログがその特徴を生かしてよく利用されています。
ITツールの中でも早くから活用されてきただけに利用者が多いのですが、手っ取り早く物件を紹介したり、入居者向けの連絡用、賃貸経営に役立つ情報の入手に広く使われています。
経営のあり方をも変えるAIのサービスメニュー
そして今日、目を離せないのがインターネットと自動認識や自動制御のIoT(モノのインターネット)サービス。
スマートフォン一つを使って、物件の紹介から下見の案内にVR(バーチャルリアリティ)を使い、気に入って契約に至ればIT重説まで。
そして鍵の受け渡し、取り換えもスマートロックで行うといったIT・オンライン化が現実のものとなっています。
国土交通省のIT重説導入を機に、来年にかけてグーグルの対話型AI・音声アシストやIoTサービスの急速な陳t内住宅への浸透が進むものとみられています。
こうしたIT化の広がりが賃貸住宅の構造はもとより、経営のあり方をも大きく変えようとしています。
今後、賃貸経営においてもAI、IoTの動向に無関心ではおれないようです。
賃貸経営ワンポイントアドバイス
突発的な事件、事故発生に対する難しさ
賃貸経営のリスク要因に日頃から備える
厳重にガードを固めておく
神奈川県座間市でとんでもない猟奇事件が発生しました。
現場はアパートです。
こうした事件に際し、改めて賃貸経営のリスク要因の難しさに直面します。
入居後の事件、事故に対しては打つ手がないというのが実態です。
事件も事故も多くが予測不能な侵入犯や、社会生活における人間関係のもつれなどによる複雑な要因によって引き起こされるケースが多く、座間の事件では入居者との面談も行っているだけに、あらためて事件防止の難しさを痛感するものです。
では、貸主は不可抗力による被害者という立場で、なす術もないのかということですが、基本的な対応策としておよそ次のことが考えられます。
まず第一は、事前に事件・事故発生に対するガードを固めておくという意味合いから、やはり入居手続きの際の面談で入居者の人となりをしっかり確認すること。
勤め先や生活態度である程度人物像が判断されます。
このプロセスで入居後、問題が起きそうなリスク要因を最低限退けておきたいものです。
事前に人を選別するのは難しく、入居条件のハードルを高くすれば、契約にも影響するのですが、賃貸経営の基本ともいえる『優良入居者』を選ぶのも仲介業務の役目です。
次に、建物および建物敷地周辺の防犯に気を配り、窃盗やストーカー犯罪、のぞき、性犯罪などの芽を摘むなど、隙をつくらないで、防犯に対する備えを厳重にしておきます。
そして万一に備えて、保険をかけておくことです。
賃貸住宅入居者の自殺、犯罪死、孤独死等により、貸主が被る家賃収入減少等の損害を補償する補償保険に加入するなど、日頃から突発的な事件、事故に対する注意事項の積み重ねが求められます。
その上で心理的瑕疵に直面した場合、「入居者募集対策」にも工夫が必要となってきます。
その際は弊社におきましてバックアップさせていただきます。
ちょっと一服
今年一年ありがとうございました
準備万端に新年を迎えたいものです
古風ですが、師も走る「師走」を迎えました。
仕事に私事に日々奮闘していますと、年末の実感は湧いてきません。
それでも街中はこれから、気ぜわしくなります。
景気の好調が続いているようです。
これもよくいわれるようになかなか実感が伴わないのですが、高度成長期の1965~70年の「いざなぎ景気」を超えているようです。
帝国データバンクの10月調査「TDB景気動向調査(全国)」結果でも「2017年10月の景気DIは前月比0.7ポイント増の49.1となり、5ヵ月連続で改善した」と、景気の回復傾向に弾みがついているようです。
年が明ければ新春商戦がスタートして忙しくなります。
年内も残り少なくなってきましたが、物件の気になる箇所はこの時期にメンテナンスを施して、準備万端に新年を迎えたいものです。
急なご連絡に必須の携帯電話も充電が十分にできない場合などは、早めの機種変更をお勧めします。
電池の入手には意外と手間取りあわてることになります。
今年一年、大変お世話になり、ありがとうございました。
「不動産情報サイト利用者意識アンケート」調査結果(RSC)
探す際に希望する設備は「バス・トイレ別」「エアコン付」「室内洗濯機置場」がトップ3
不動産情報サイトの運営事業者で構成されている不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)が、一般消費者向けに実施した「不動産情報サイト利用者意識アンケート」の調査結果がこのほど発表されました。
調査は不動産情報サイトの利用実態とその推移を調査するためのもので、物件契約に至ったユーザーの行動や特徴を中心にまとめています。
賃貸関連で参考になるポイントを紹介します。
物件を「契約した人」が検索に利用したものは、全年代で「PC」は男性、「スマホ」は女性の場合が多く、年代別では男女とも20代以下~40代はスマホの割合が高いのですが、パソコンの利用も依然一定水準を維持しています。
物件を契約した人が検討時に問い合わせた不動産会社数は、「2社」の割合が最も高く27.9%。
「3社までの合計」は74.2%と前年調査比10ポイント近く低下し、平均は「2.8社」。
問い合わせ物件数大幅に減少
消費者の選別の目が厳しくなる
また、物件を契約した人が検討時に問い合わせた物件数は、「6物件以上」の割合が最も高く25.9%、以下「1物件」「3物件」と続き、平均は「4.9物件」で、前年より1.3物件減少。
平均物件数は、賃貸より売買、男性より女性の方が多く、前年比減少幅についても、賃貸より売買、男性より女性の方が大きくなっています。
不動産会社数と同様、問い合わせる物件数も大幅に減少しており、消費者の選別の目が厳しくなっていることが分かります。
物件情報を探す際に希望する設備については、賃貸物件では、「バス・トイレ別」「エアコン付」「室内洗濯機置場」がトップ3となっています。
このほかトップ10には次の7点が選ばれています。
独立洗面台、フローリング、インターネット無料、追い焚き風呂、駐車場あり、都市ガス、TVモニター付インターフォン。
なお、「TVモニター付インターフォン」は売買・賃貸ともにトップ10に入っており、セキュリティ対策としてユーザーニーズが高まっているのが分かります。
過去の記事はこちらから
エスト賃貸経営新聞一覧