2019年7月号エスト賃貸経営新聞の賃貸経営新聞 | 埼玉の不動産投資・収益物件・建物管理|株式会社エストハウジング
2019年7月号エスト賃貸経営新聞
各種の景気判断指数は先行き懸念を指摘、不透明感が強まる
賃貸市場はニーズ直結の新築が中心と予測
一年の折り返しとなる7月を迎えました。
来る参院選を前に各方面で慌ただしい動きがみられます。
一方で景気の動きも国際政治を反映して微妙な動向を見せています。
そこで、賃貸住宅市場を囲む最近の経済指標をまとめてみました。
内閣府から発表された5月の景気ウォッチャー調査は、前月差1.2ポイント低下の44.1と前月から悪化。
家計動向関連、企業動向関連、雇用関連の全てのDIが低下したことから、前月を1.2ポイント下回り、2ヵ月ぶりの低下となりました。
先行き判断についても、DIは前月差2.8ポイント下回った45.6で、景気ウォッチャーの見方は、「このところ回復に弱さがみられる。先行きについては、海外情勢等に対する懸念が見られる」とまとめています。
内閣府と財務省が共同で年4回実施している「法人企業景気予測調査」の平成31年4~6月期の結果によりますと、4~6月期の大企業全産業の景況判断指数(BSI)はマイナス3.7で、2四半期連続のマイナスとなっています。
また、帝国データバンクの5月調査の「TDB景気動向調査(全国)」結果によりますと、5月の景気DIは前月比1.4ポイント減の45.4となり、6ヵ月連続で悪化。
今後の国内景気は、消費税率消費減退の懸念に加えて、米中貿易摩擦の行方など、不透明感が一層強まっている、としています。
不動産の景況感の「先行き」については、「インバウンド需要が好調」(不動産代理・仲介)、「消費税増税の駆け込みで3ヵ月後はやや良くなると予想している」(建物売買)、「目先は悪くないが、先行きに不透明感がある」(建物売買)、「投資用不動産ローンはますます厳しくなると想定」(不動産賃貸)などの声が聞かれます。
貸家の新設着工は8ヵ月連続の減少
一方、足下の賃貸市場については、不動産情報サービスのアットホームの全国不動産情報ネットワークに登録され成約した、1都3県・首都圏における4月期の賃貸物件の市場動向によりますと、居住用賃貸物件契約数は前年同月比8.6%減少し、5ヵ月連続のマイナス。
平均賃料の前年月比は、マンションは新築が4ヵ月連続プラス、中古は4ヵ月連続マイナス、アパートは新築が7ヵ月連続マイナス、中古は3ヵ月連続でマイナスとなっています。
ところで、4月分の貸家の新設着工は前年同月比16.7%減の大幅な減少で、約3万戸。
8ヵ月連続の減少となっています。
民間資金による貸家が減少し、公的資金による貸家も減少したため、貸家全体で減少となりました。
このため今年1~4月の合計では、前年比10%減の11万戸の実績です。
銀行のローン貸出しが一段と厳しくなっているのが影響しているものですが、これからしばらくは実需のニーズに直結した新築を中心に出回ってくると予測されます。
賃貸住宅市場最新ニュース
次世代型賃貸住宅の本格的登場は間近
新時代のスマホ収納サービスの広まり
時代を先取りする最新の賃貸住宅の開発が進んでいます。
最近のユニークな事例を紹介します。
★ZEHIM(ゼッチエム)賃貸住宅をご存知ですか・ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の賃貸住宅版です。
その内容は、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」(国土交通省)というものです。
つまり、高断熱化、高効率設備による省エネと太陽光発電などの活用により、年間の一次エネルギー消費量がゼロ以下となる住まいです。
当初は一般住宅を対象としていましたが、集合住宅を対象とするZEHIMシリーズの基準が昨年5月に公表されてから1年が経過して、ZEH対応の賃貸住宅の開発が住宅メーカー各社で進められ、商品化が相次いでいます。
環境に貢献しながらオーナー、入居者に多くのメリットをもたらすといわれるZEHIM。
こうした次世代型賃貸住宅が本格的に出回るのはもう間近かもしれません。
★M社の賃貸マンションに、スマホ収納サービス「サマリーポケット」が導入されました。
「サマリーポケット」とは、利用者が専用ボックスに詰めて送った衣類などの荷物が、温度・湿度、セキュリティが保たれた環境で保管・管理され、利用者はパソコンやスマートフォンの上で、預けたモノを管理・取り出しができる収納サービスです。
物理的スペースの制限にとらわれずに、箱に詰めて送るだけで荷物がスマホの中に収納され、1箱250円からの手頃な価格で預けられる新時代のスマホ収納サービス。
貸しトランクとは違った収納スタイルとなっています。
★日本に定住する外国人が増えている昨今、物件掲載に加え、自動翻訳機能や各種ツールの提供により、外国人
を支援する動きが各方面で活発化しています。
N社は、外国人の日本での暮らしを様々なサービスでサポートするプロジェクトを発足させ、全国の外国人入居可能物件検索できるサイトを公開しました。
日本の住まいをもっとグローバルに!をコンセプトに、外国人の日本での部屋探しを阻む言語の壁、モラルの壁、思い込みの壁の3つの壁を乗り越える仕組みをつくり、日本に住む外国人が暮らしやすい社会を作ることを目的としています。
ニュースフラッシュ
日本銀行『インバウンドの現状:企業等の取り組みと地域活性化の注目点』を公表
外国人旅行者の増加傾向が続いています。
昨年には、3,119万人と過去最高を記録しました。
こうした折り、日本銀子は、最近におけるインバウンドの需要の特徴をまとめた「地域経済報告書(さくらレポート)別冊シリーズ」の『インバウンドの現状:企業等の取り組みと地域活性化の注目点』を公表しました。
それによりますと、最近におけるインバウンド需要の特徴として、東アジアからの観光客の増加、個人旅行の増加と訪問・宿泊地の広がり、「モノ消費」の落ち着きと「コト消費」の拡大の3点が指摘できる、としています。
また、社会問題となっている空き家等を客室に改装し、周辺の銭湯を「風呂」、飲食店を「食堂」に見立てたところ、日本人の日常が体験できるとしてインバウンド客に人気。
あたかも街全体をホテルのようにしたことで、活気が生まれているなど、インバウンド需要の獲得に向けた企業や自治体等の取組み事例を紹介しています。
※「さくらレポート」は、日本銀行のホームページでダウンロードできます。
所有する物件は100%稼働させたいものです
セオリー通り経営基盤を固めていくこと
入居率の向上は賃貸住宅経営にとって、最大の課題です。
高い入居率を維持すれば、経営は安定して、多くの問題が良い方向に向かいます。
入居率向上のポイントをまとめてみました。
時代は大きく変わって、今日では「賃貸経営」即、「満室経営」とはなかなかいきませんが、それでも所有する物件は100%稼働させたいものです。
本来、ビジネスにおいて保有する設備の一部が遊んでいるというのは許されないことで、稼働率を高め、フル回転させて売上げ、収益の向上を図るのが原則です。
そもそも収入を生むはずの部屋が空室で収入ゼロとなっているのが痛いところです。
それではどのようにすれば高入居率が達成されるかですが、結論から言えば、とくに奇抜なアイデアある訳ではなく、セオリー通り確実に経営基盤を固めていくことだと思われます。
まず、部屋をお探しのお客様の目に止まるように、物件に何らかの特徴を持たせ、空室が長引くと気分も緩むため、物件に緊張感を持たせます。
その一つが、経費を絞ってでも最低限のリフォーム、補修、メンテナンスはやっておきたいところです。
そして二つ目が賃料対策です。
例えばタイムリーな家賃設定。
家賃の下限に幅を持たせます。
ここで5千円値引きすると契約に結びつくといった局面がよくあります。
このタイミングを逃さないために、家賃価格に柔軟な対応をすることです。
タイミングを生かすためにもここ一番の交渉時に有効な手段
それと、フリーレント。
以前なら家賃をまけるといった発想はもっての外でしたが、今日では契約促進の有効手段として受け入れられてきています。
事実、最終的に決めかねて迷っている時などに決定打となることが少なくありません。
家賃の下げ幅に余裕を持たせるなど、フリーレントは、ここ一番の交渉時に商談がまとまる場合、有効な手段として使えればとの思いがあります。
このように仲介時のタイミングを生かすためにも、物件に入居者を引き付ける魅力を備え、他物件との競争力を高めるために、まず何をおいても日々のオーナー様との連携を強くして、契約促進を図りたいと考えております。
仲介、管理分野は私ども不動産会社側の専門分野ですが、物件の整備に関してはオーナー様とのご相談が進んでこそ成り立つと考えます。
賃貸経営ワンポイントアドバイス
事件・事故による心理的瑕疵に備える
原状回復費用や損失補償の保険に加入
高まる入居者死亡のリスク
賃貸住宅経営は、様々な方の入居が続くことから、めったに起きないとはいえ、事件・事故から逃げられないところがあります。
中でも人の死が関わってくるとどうしても忌み嫌う心理が働いて、心理的瑕疵(しんりてきかし)の不安感を起こさせます。
今後、高齢化に加えて、単身世帯が増加傾向にあるため、賃貸住宅市場においては、入居者死亡のリスクが高まるのは十分に予測されます。
さらにテレビなどで報道されると、つい話題を集めて、注目度が高まります。
入居者の死亡に関わる事件や事故は発生率は高くないのですが、万一発生した場合の損失額が大きいだけに、やはりリスクへの対策は十分考えておくべきと思われます。
対応策ですが、府やで人が死んだケースでは、事のいきさつをきっちり説明して家賃を思い切って安くする、入退去の回転を高めて時間的経過を図る、あえて長期間空室にしておく、原形をとどめないほどにリフォームする、もしくは全面的に建て替えるなどが挙げられます。
ただ、重要事項説明には「重要な事実の告知義務」が生じますので、全く何も告知しないという訳にはいきません。
消費者保護の徹底で隠すことなくオープンにするようになってきました。
こうした死亡に関連した事件・事故の手だてとしては、賃貸経営の原点ともいえる「入居審査」を一段と厳しくすることが求められます。
建物で事件が起きると大変な損失になるだけに、普段から注意が怠れません。
また、契約更新時に経済的な面ばかりでなく、普段の素行から、更新を断るということも考慮すべきかもしれません。
また、入居者の自殺や孤独死、犯罪による死亡があった場合、事故があった部屋の残置物を撤去し、清掃、修復・改装などの原状回復費用やオーナー様の損失を補償する保険もありますので、念のために加入しておくのも必要となってきました。
過去の記事はこちらから
エスト賃貸経営新聞
賃貸市場はニーズ直結の新築が中心と予測
一年の折り返しとなる7月を迎えました。
来る参院選を前に各方面で慌ただしい動きがみられます。
一方で景気の動きも国際政治を反映して微妙な動向を見せています。
そこで、賃貸住宅市場を囲む最近の経済指標をまとめてみました。
内閣府から発表された5月の景気ウォッチャー調査は、前月差1.2ポイント低下の44.1と前月から悪化。
家計動向関連、企業動向関連、雇用関連の全てのDIが低下したことから、前月を1.2ポイント下回り、2ヵ月ぶりの低下となりました。
先行き判断についても、DIは前月差2.8ポイント下回った45.6で、景気ウォッチャーの見方は、「このところ回復に弱さがみられる。先行きについては、海外情勢等に対する懸念が見られる」とまとめています。
内閣府と財務省が共同で年4回実施している「法人企業景気予測調査」の平成31年4~6月期の結果によりますと、4~6月期の大企業全産業の景況判断指数(BSI)はマイナス3.7で、2四半期連続のマイナスとなっています。
また、帝国データバンクの5月調査の「TDB景気動向調査(全国)」結果によりますと、5月の景気DIは前月比1.4ポイント減の45.4となり、6ヵ月連続で悪化。
今後の国内景気は、消費税率消費減退の懸念に加えて、米中貿易摩擦の行方など、不透明感が一層強まっている、としています。
不動産の景況感の「先行き」については、「インバウンド需要が好調」(不動産代理・仲介)、「消費税増税の駆け込みで3ヵ月後はやや良くなると予想している」(建物売買)、「目先は悪くないが、先行きに不透明感がある」(建物売買)、「投資用不動産ローンはますます厳しくなると想定」(不動産賃貸)などの声が聞かれます。
貸家の新設着工は8ヵ月連続の減少
一方、足下の賃貸市場については、不動産情報サービスのアットホームの全国不動産情報ネットワークに登録され成約した、1都3県・首都圏における4月期の賃貸物件の市場動向によりますと、居住用賃貸物件契約数は前年同月比8.6%減少し、5ヵ月連続のマイナス。
平均賃料の前年月比は、マンションは新築が4ヵ月連続プラス、中古は4ヵ月連続マイナス、アパートは新築が7ヵ月連続マイナス、中古は3ヵ月連続でマイナスとなっています。
ところで、4月分の貸家の新設着工は前年同月比16.7%減の大幅な減少で、約3万戸。
8ヵ月連続の減少となっています。
民間資金による貸家が減少し、公的資金による貸家も減少したため、貸家全体で減少となりました。
このため今年1~4月の合計では、前年比10%減の11万戸の実績です。
銀行のローン貸出しが一段と厳しくなっているのが影響しているものですが、これからしばらくは実需のニーズに直結した新築を中心に出回ってくると予測されます。
賃貸住宅市場最新ニュース
次世代型賃貸住宅の本格的登場は間近
新時代のスマホ収納サービスの広まり
時代を先取りする最新の賃貸住宅の開発が進んでいます。
最近のユニークな事例を紹介します。
★ZEHIM(ゼッチエム)賃貸住宅をご存知ですか・ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の賃貸住宅版です。
その内容は、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」(国土交通省)というものです。
つまり、高断熱化、高効率設備による省エネと太陽光発電などの活用により、年間の一次エネルギー消費量がゼロ以下となる住まいです。
当初は一般住宅を対象としていましたが、集合住宅を対象とするZEHIMシリーズの基準が昨年5月に公表されてから1年が経過して、ZEH対応の賃貸住宅の開発が住宅メーカー各社で進められ、商品化が相次いでいます。
環境に貢献しながらオーナー、入居者に多くのメリットをもたらすといわれるZEHIM。
こうした次世代型賃貸住宅が本格的に出回るのはもう間近かもしれません。
★M社の賃貸マンションに、スマホ収納サービス「サマリーポケット」が導入されました。
「サマリーポケット」とは、利用者が専用ボックスに詰めて送った衣類などの荷物が、温度・湿度、セキュリティが保たれた環境で保管・管理され、利用者はパソコンやスマートフォンの上で、預けたモノを管理・取り出しができる収納サービスです。
物理的スペースの制限にとらわれずに、箱に詰めて送るだけで荷物がスマホの中に収納され、1箱250円からの手頃な価格で預けられる新時代のスマホ収納サービス。
貸しトランクとは違った収納スタイルとなっています。
★日本に定住する外国人が増えている昨今、物件掲載に加え、自動翻訳機能や各種ツールの提供により、外国人
を支援する動きが各方面で活発化しています。
N社は、外国人の日本での暮らしを様々なサービスでサポートするプロジェクトを発足させ、全国の外国人入居可能物件検索できるサイトを公開しました。
日本の住まいをもっとグローバルに!をコンセプトに、外国人の日本での部屋探しを阻む言語の壁、モラルの壁、思い込みの壁の3つの壁を乗り越える仕組みをつくり、日本に住む外国人が暮らしやすい社会を作ることを目的としています。
ニュースフラッシュ
日本銀行『インバウンドの現状:企業等の取り組みと地域活性化の注目点』を公表
外国人旅行者の増加傾向が続いています。
昨年には、3,119万人と過去最高を記録しました。
こうした折り、日本銀子は、最近におけるインバウンドの需要の特徴をまとめた「地域経済報告書(さくらレポート)別冊シリーズ」の『インバウンドの現状:企業等の取り組みと地域活性化の注目点』を公表しました。
それによりますと、最近におけるインバウンド需要の特徴として、東アジアからの観光客の増加、個人旅行の増加と訪問・宿泊地の広がり、「モノ消費」の落ち着きと「コト消費」の拡大の3点が指摘できる、としています。
また、社会問題となっている空き家等を客室に改装し、周辺の銭湯を「風呂」、飲食店を「食堂」に見立てたところ、日本人の日常が体験できるとしてインバウンド客に人気。
あたかも街全体をホテルのようにしたことで、活気が生まれているなど、インバウンド需要の獲得に向けた企業や自治体等の取組み事例を紹介しています。
※「さくらレポート」は、日本銀行のホームページでダウンロードできます。
所有する物件は100%稼働させたいものです
セオリー通り経営基盤を固めていくこと
入居率の向上は賃貸住宅経営にとって、最大の課題です。
高い入居率を維持すれば、経営は安定して、多くの問題が良い方向に向かいます。
入居率向上のポイントをまとめてみました。
時代は大きく変わって、今日では「賃貸経営」即、「満室経営」とはなかなかいきませんが、それでも所有する物件は100%稼働させたいものです。
本来、ビジネスにおいて保有する設備の一部が遊んでいるというのは許されないことで、稼働率を高め、フル回転させて売上げ、収益の向上を図るのが原則です。
そもそも収入を生むはずの部屋が空室で収入ゼロとなっているのが痛いところです。
それではどのようにすれば高入居率が達成されるかですが、結論から言えば、とくに奇抜なアイデアある訳ではなく、セオリー通り確実に経営基盤を固めていくことだと思われます。
まず、部屋をお探しのお客様の目に止まるように、物件に何らかの特徴を持たせ、空室が長引くと気分も緩むため、物件に緊張感を持たせます。
その一つが、経費を絞ってでも最低限のリフォーム、補修、メンテナンスはやっておきたいところです。
そして二つ目が賃料対策です。
例えばタイムリーな家賃設定。
家賃の下限に幅を持たせます。
ここで5千円値引きすると契約に結びつくといった局面がよくあります。
このタイミングを逃さないために、家賃価格に柔軟な対応をすることです。
タイミングを生かすためにもここ一番の交渉時に有効な手段
それと、フリーレント。
以前なら家賃をまけるといった発想はもっての外でしたが、今日では契約促進の有効手段として受け入れられてきています。
事実、最終的に決めかねて迷っている時などに決定打となることが少なくありません。
家賃の下げ幅に余裕を持たせるなど、フリーレントは、ここ一番の交渉時に商談がまとまる場合、有効な手段として使えればとの思いがあります。
このように仲介時のタイミングを生かすためにも、物件に入居者を引き付ける魅力を備え、他物件との競争力を高めるために、まず何をおいても日々のオーナー様との連携を強くして、契約促進を図りたいと考えております。
仲介、管理分野は私ども不動産会社側の専門分野ですが、物件の整備に関してはオーナー様とのご相談が進んでこそ成り立つと考えます。
賃貸経営ワンポイントアドバイス
事件・事故による心理的瑕疵に備える
原状回復費用や損失補償の保険に加入
高まる入居者死亡のリスク
賃貸住宅経営は、様々な方の入居が続くことから、めったに起きないとはいえ、事件・事故から逃げられないところがあります。
中でも人の死が関わってくるとどうしても忌み嫌う心理が働いて、心理的瑕疵(しんりてきかし)の不安感を起こさせます。
今後、高齢化に加えて、単身世帯が増加傾向にあるため、賃貸住宅市場においては、入居者死亡のリスクが高まるのは十分に予測されます。
さらにテレビなどで報道されると、つい話題を集めて、注目度が高まります。
入居者の死亡に関わる事件や事故は発生率は高くないのですが、万一発生した場合の損失額が大きいだけに、やはりリスクへの対策は十分考えておくべきと思われます。
対応策ですが、府やで人が死んだケースでは、事のいきさつをきっちり説明して家賃を思い切って安くする、入退去の回転を高めて時間的経過を図る、あえて長期間空室にしておく、原形をとどめないほどにリフォームする、もしくは全面的に建て替えるなどが挙げられます。
ただ、重要事項説明には「重要な事実の告知義務」が生じますので、全く何も告知しないという訳にはいきません。
消費者保護の徹底で隠すことなくオープンにするようになってきました。
こうした死亡に関連した事件・事故の手だてとしては、賃貸経営の原点ともいえる「入居審査」を一段と厳しくすることが求められます。
建物で事件が起きると大変な損失になるだけに、普段から注意が怠れません。
また、契約更新時に経済的な面ばかりでなく、普段の素行から、更新を断るということも考慮すべきかもしれません。
また、入居者の自殺や孤独死、犯罪による死亡があった場合、事故があった部屋の残置物を撤去し、清掃、修復・改装などの原状回復費用やオーナー様の損失を補償する保険もありますので、念のために加入しておくのも必要となってきました。
過去の記事はこちらから
エスト賃貸経営新聞