今一度確認!【管理会社の仕事】とは?【更新】 | 埼玉の不動産投資・収益物件・建物管理|株式会社エストハウジング
不動産投資コラム
今一度確認!【管理会社の仕事】とは?
4月の終わりに「築8年のアパートで階段崩落」という、私たち管理会社にとって非常にショッキングなニュースが飛び込んできました。
また、大変残念なことに入居者様が巻き込まれて死亡してしまうという、とても悲惨な事故でした。
昨年も北海道で2階共用廊下の床が抜け、複数の方が大怪我をされるという事故も発生しています。
北海道の事故は、築40年以上の建物であったため老朽化が原因とのことでしたが、今回の事故については築8年の建物であり、本来ならば起こるはずのない内容の事故でした。
原因は完全に施行者の手抜き工事であり、完成検査の問題となってくるでしょう。
ただ私たちが一番気になったのは、崩れる前に入居者様からの指摘を受け『「管理会社」の人間が現地の補修を行った』というところです。
プロとしての建築の知識や技術を持ち合わせていない人が直せるはずもなく、適切な修理を行わなかった責任は「管理会社」にもあると感じています。
そもそも「管理会社」の業務とは何でしょうか。
不動産投資は物件を購入したら終わりではなく、むしろそこからがスタートです。
不動産管理会社の業務内容は多岐に渡っており、どこにどこまでの業務委託を行うのかで、物件の管理状況や長期的な不動産資産価値などが大きく左右されます。
今回は、不動産管理会社の業務内容について見ていきたいと思います。
不動産管理会社の主な仕事
不動産管理会社は、物件を「管理」することが主な仕事です。
不動産仲介会社と間違われることもありますが、その業務は大きく異なります。
管理委託契約の内容により異なりますが、不動産管理会社の主な業務は、以下の3つです。
【1】入居者様の管理
賃貸物件の入居する人との賃貸借契約締結や契約更新をはじめ、退去するまでの一連の事務や、入居者様からのクレームやトラブルの対応などを、オーナー様に代わって行います。
【2】建物の管理
管理する物件の定期的な清掃やメンテナンスを行います。
また、万が一物件に故障などのトラブルが発生した場合も、オーナー様に代わって業者に連絡し、工事の手配等を行います。
【3】お金の管理
賃貸物件で必要な入居者様からの毎月の家賃回収や、家賃の滞納が起こった場合など、物件のオーナー様に代わって管理会社が対応します。
それぞれの業務について詳しく見ていきましょう。
【1】入居者様の管理
管理会社の第一の仕事は、入居者様の管理です。
賃貸経営において「入居者様が快適に暮らせるかどうか」は経営の良し悪しを左右する重要な要素の一つです。
■募集
不動産ポータルサイトや仲介業務を行っている会社などに、客付けを依頼します。
入居率の向上は家賃収入の向上に直結しますので、オーナー様にとっても関係の深い重要な業務です。
■契約の締結・更新
入居の際の賃貸借契約締結や、締結に関わる審査や書類のやり取りなどの事務手続きも、管理会社が対応します。
また、賃貸借契約のほとんどが2年契約となっていますので、更新時期が来た際の契約更新や書類のやりとりに関しても、管理会社が行います。
■クレーム・トラブル対応
物件の設備の故障や水漏れなど、入居者様からのあらゆるクレーム・トラブルの対応も管理会社が行います。
特にアパートやマンションなどの集合住宅では、ゴミの分別や出し方、騒音などが原因の入居者トラブルが起こりがちです。
そうした問題を入居者様同士で解決することは難しく、さらに事が大きくならないうちに迅速に対応する必要があります。
クレームやトラブルは、オーナー様にとっても大きなストレスになりますので、管理会社が間に入り双方の対応を行います。
■退去時の立会い
入居者様が退去する際に、オーナー様に代わって部屋の引渡しに立ち会うのも管理会社の業務です。
退去時の立会いは、家賃回収などに次いで管理会社の重要な役割とされています。
昨今の原状回復費用を巡るトラブルを見てもわかるように、退去時に揉め事が発生することも少なくありません。
管理会社による公平な立場での判断が、退去立会時に重宝されるのです。
■条件改善の提案
空室対策として部屋の設備の新調や新サービスの導入などを、オーナー様に提案することも管理会社の仕事です。
築古の物件であればリフォームの提案をする場合もあります。
改善方法の一つとして、家賃の値下げを提案することもあります。
【2】建物の管理
入居者様の快適な住環境を守るため、またはオーナー様の大切な資産である不動産の価値を守るための、重要な業務です。
■建物のメンテナンスの手配
定期的なメンテナンスは、物件の外観や安全性を維持するのに欠かすことができません。
管理会社はアパート・マンションのエントランスや外壁、駐車場、廊下などの共用部分を点検し、修繕が必要だと判断された場合は、専門業者に修繕を依頼します。
■定期点検・清掃
物件各所の状況点検以外にも、設置されている消火器の使用期限や、浄化槽、エレベーターなども定期点検します。
建物の美観を損なうことがないよう、共用部分の清掃業務も行います。
■設備トラブル発生時の対応
建物や設備の劣化により漏水等のトラブルが発生した場合、早急に対応する必要があります。
オーナー様に代わって、業者の手配や入居者様への連絡などを行います。
■リフォーム工事
物件も築古になると建物や設備の劣化が目立つようになり、そのままにしておくと長期の空室に繋がる可能性があります。
それらの可能性を潰すためにも、オーナー様へのリフォームの提案やリフォーム工事業者の手配を行います。
■原状回復工事
入居者様が退去した後、次の入居者様へ貸す前に原状回復工事を行う必要があります。
賃貸経営を圧迫しないようできるだけ費用を抑えつつ、次の入居者様が快適に生活できるように配慮して、原状回復工事や修繕を手配します。
【3】お金の管理
管理会社の業務の中で最も重要と言えるのが、お金の管理です。
入居者様やオーナー様との間でトラブルが生じないよう、間違いなく、遅滞なく対応しなければならない業務です。
■家賃の回収代行・滞納時の督促
入居者様からの家賃・管理費を、オーナー様に代わって管理会社が回収します。
また、万が一家賃の支払いが遅れた場合も、管理会社が督促を行います。
日本の法律は賃貸人よりも賃借人を守る傾向が強いため、家賃を一向に支払わない滞納者がいたとしても、簡単に退去を促すことはできません。
そういったトラブルが起こらないよう、管理会社が上手く支払いを促してくれるかどうかが、とても重要になるのです。
家賃保証会社に加入している場合は、家賃滞納が発生した際も、オーナー様は家賃と同額のお金を保証会社から受け取ることができます。
■オーナー様への送金
毎月オーナー様への家賃の送金を行います。
■敷金の預かり
敷金がある場合、オーナー様に代わって管理会社が預かっておきます。
■原状回復費用の請求
退去時に室内の状態を見て、修理などが必要な部分があればオーナー様に代わって原状回復費用を請求します。
入居時に敷金の支払いがある場合は、そこから差し引いて対応します。
いかがでしたでしょうか。
私たち管理会社は、「管理」のプロですが「修繕」のプロではありません。
「管理」のプロの立場として、専門外の部分については適材適所の仕事をしてくれる業者に依頼することも仕事であり、そのための協力業者様をたくさん抱えています。
今回の事故は他人事ではなく、管理のプロとして何をしなくてはいけないのかを改めて考えさせられることとなりました。
大切な資産である不動産を安心して任せることができる管理会社を見つけるためにも、その業務の範囲や内容について、ある程度の知識を持つことが大切です。
そういった知識を持ったうえで管理会社を選び、より良いパートナーになることが、賃貸経営を成功させる秘訣なのではないでしょうか。